弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年5月23日

先生、キジがヤギに縄張りを宣言しています!

生き物

著者    小林 朋道 、 出版   築地書館

『先生!』シリーズも第五弾となったのですね。これって、すごいことですよ。もちろん、私は、全部よみましたし、このコーナーで全部を紹介しています。
鳥取環境大学という、あまり聞きなれない名前(失礼します)の大学で生物学(具体的には、動物と人間の行動学)を教える教授が、その授業の周辺で起きるさまざまな出来事を自慢話と蘊蓄たっぷりに語る抱腹絶倒のシリーズ本なのです。とりわけ写真が豊富にあるのが、私のような素人にとって理解を助けます。
スズメバチの巣が空になったところを今度はスズメが巣として利用する。それを観察している教授と学生たちを、スズメもじっと観察している。そんな写真もあります。さぞかし、このスズメも、この連中は何をしているのか不思議に思っていることでしょうね・・・。
フェレット(イタチによく似ています)の子どもは白い。なぜ白いのか?白以外の色であるためには、そのために特別な色素を細胞内で合成しなければならない。それにはコストがかかる。カモフラージュの必要のない卵は、たいてい白である。カモフラージュする必要がなければ、わざわざ白以外の色の素を合成したりはしない。なーるほど、そういうことなんですか・・・。
クザガメも登場します。カメの甲羅は、カメの身体の内部の肋骨が拡張したものである。そして、カメの成長にともなって甲羅全体が大きくなっても、六角パネルの数は変わらない。つまり六角パネルは、互いにモザイクのようにキッチリ並んだままで、一つひとつの六角パネルは、形を変えることなく、大きくなっている。ふむふむ、なるほど、ですね。
そして、カメの雌雄を判別する方法は・・・?
それには頭と両手両足を甲羅のなかへ強く押し込むこと。雄だと、尾が出ているところからペニスが出てくる。雌だともちろん出てこない。うーむ、それにしても、よく見ているものです。
クサガメとイシガメの違いは何か・・・?
ヒメネズミは森のなかで何をしているのか・・・?
小さな無人島で一人生きるシカは、どうやって生き延びているのか・・・?
この島には、大食漢であり、ミミズを主食物にするモグラがいないため、ミミズが繁栄し、それが複数のタヌキの生存を可能にしている。
わが家のすぐ近くの空き地にもタヌキの親子が棲みついていました。最近は、とんと姿を見かけませんが、どこかに立ち去ったのでしょうか、それとも、たまたま私が遭遇しないだけなのでしょうか・・・。
そしてこの本のタイトルにもなっている話です。キジの縄張りになっている草原にヤギがのんびりと草を食べているのがキジには気にいりません。なんとか脅して立ち去ろうとさせたいのですが、ヤギは知らんぷりしています。そこで、キジは一体どうするか・・・?!
飛びかかって、蹴瓜で攻撃したいのはやまやまなれど、それがうまくいくという保障は何もない。そこで、やむなく、キジはヤギを柵の上からにらみつけるだけにした・・・。なーるほど、鳥(キジ)と動物(ここではヤギ)にも、こんな葛藤があるのですね。
私よりはひとまわり下の「わかい」教授ですが、毎回とても面白く読ませてもらっています。先生、引き続きがんばって下さい。応援しています。
(2011年4月刊。1600円+税)

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