弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2010年9月 9日

南アフリカの衝撃

世界(アフリカ)

 著者 平野 克己、日経プレミアシリーズ 出版 
 
 南アフリカの寒々とした実情が紹介されています。
サッカー・ワールドカップを成功させた南アフリカは、凶悪犯罪の発生率が群を抜いている。5000万人の人口のうち、毎年2万人が殺人事件で殺される。日本では600人なので日本の100倍だ。
 南アフリカには組織犯罪がはびこっていて、警察も腐敗している。警察官は一般公務員にくらべて薄給のうえ、毎年200人も殉職している。2008年には、犯罪組織から賄賂を受け取っていたとして、こともあろうに警察庁長官が逮捕された。この人は元国連大使で、警察庁長官時代にはインターポール(国際刑事警察機構)の総裁もつとめていた。逮捕される前には、ワールドカップの開催期間中は売春を合法化するよう主張していた。売春は犯罪組織の主要な収入源のひとつである。うひゃあ、なんということでしょう。信じられません。ただ、日本の警察庁長官も身分(収入)不相応の億ションに住んでいると指摘されたことがありました・・・・。
 南アフリカでは、授業ボイコットがアパルトヘイトへの抗議と考えられ、学校をドロップアウトする若者が続出した。アパルトヘイトが終わった今、彼らの多くは学校教育を受けていない、単なる無学歴者になった。労働経験がなく、労働意欲のないものも多い。民主化のために戦ってきたものの、民主化の恩恵を受けることはなく、多くが失業者か犯罪者となった。そんな人々が100万人から200万人もいる。
1750万人の労働人口のうち400万人が失業している。失業率は24%にもなる。
大量失業を生んだもう一つの原因は農業にある。アパルトヘイト体制化で黒人から土地を奪ったため、黒人農村が消滅してしまった。
うまく立ち回ったものだけが望外な報酬を手にするという社会では、相互信頼のかわりに嫉妬が発火するだけ。狡猾と嫉妬が生み出すものは、汚職と犯罪だ。
 南アフリカには1300人の日本人が生活している。日本とアフリカの経済関係は南アフリカに集中してきた。日本は、プラチナ、マンガン、クロム、バナジウムを南アフリカから輸入している。
 日本で販売されているベンツやBMWの多くは南アフリカ製である。南アフリカの自動車製造は、国の基軸的産業になっている。 
2000年以降、中国のアフリカ攻勢はすさまじい。1990年代にはアフリカ大陸全土で5万人といわれていた中国人は、今や75万人といわれる。中国製品は、アフリカのどんな国にもありふれている。なかでも一番、中国人の多いのが南アフリカだ。少なくとも20万人の中国人が住んでいる。だから、犯罪被害にあう中国人も多く、2005年に22人だったのが、2006年には14人が殺害された。
 中国から南アフリカに進出している企業は30社だが、南アフリカから中国へ進出した企業は300社もある。
 南アフリカという国を少しばかり知りました。やっぱり怖い国だなと、つい思ってしまいました。スミマセン・・・・。
 
(2009年12月刊。850円+税)
 フランスには回転ずしまで進出しているのですね。ちっとも知りませんでした。パリのカルチェラタンには、漢字で「寿司」と書いた店がありますが、なかは回転寿司でした。
 デイジョンで泊まったホテルの隣にも、小さな回転寿司の店がありました。こちらは立派そうなカウンターでしたから、高級回転寿司の店のようです。
 リヨンには、町のあちこちに見かけました。
 魚、そして寿司は、健康に良いという評価がフランスで定着しているのでしょう。値段も安いですしね。

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