弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2010年8月30日

鳥脳力

生き物

著者:渡辺 茂、出版社:化学同人

 鳥は恐竜から進化した動物ではなく、生き残った恐竜なのである。恐竜には、鳥型恐竜と非鳥型恐竜があるのだ。恐竜が6500万年前に絶滅するより前に非鳥型恐竜と鳥(鳥型恐竜)は共存していた。そして、鳥型恐竜は現代鳥として生き残ったのだ。
 なんと、鳥と恐竜の関係は、こんなに深いものだったんですね・・・。
 小鳥は、脳の片半球ずつ眠ることができる。これは、捕食者に対する警戒を絶やさないため。そうなんですか・・・。
 カケスは、ものを隠して、その場所を覚えているという記憶力に優れているばかりでなく、他者のものを盗むという悪知恵ももっている。いやはや、なんとういうことでしょう。
 鳥類は道具をつかう例は、哺乳類より多い。ニューカレドニアカラスは、加工した道具を携帯して場所を移動する。
 伝書鳩の原種はカワラバト。カワラバトを帰巣成績による選択交配を重ねた品種が現在の伝書鳩である。カワラバトは、崖にある巣と採餌場所のあいだ20~30キロメートルを移動する。ドバトは、伝書鳩が二次的に野性化したもの。
 ハトにGPSをつけて飛行ルートを実験してみると、一度ルートを決めたら、同じルートを繰り返す。最適ルートに近づけることはしない。ハトは最短距離を飛ぶより、熟知している、いつものルートで帰巣する習性がある。ハトが帰巣するときに間違うのは、巣の近くに駅や鉄塔など、似たようなものがあったとき。
 訓練したハトは、ゴッホとシャガールの絵を区別することができる。
 ハトは、色とか形の特定のものではなく、全体を見て判断している。
 ハトは細部にこだわる。鳥に弁別訓練を行うと、日本画と西洋画の区別ができるようになる。ハトは、訓練すると特定の音楽が弁別できるだけでなく、ある程度の音楽カテゴリーの弁別も出来るようになる。
 夜に空を渡る鳥たちは、星座コンパスをつかう。夜間飛行する鳥たちは、そのための特別な脳内機構をもっている。
 小鳥の歌には相当複雑なものもあるが、伝える情報は少ない。つまりは求愛か、なわばり宣言である。主たる機能は情報伝達であって、聴衆を楽しませるものではない。
 オウムは音楽にあわせて踊ることができる。
 カラスは鏡にうつった自分を、他のカラスだと見ている。
 カラスが毎週のようにゴミあさりにやってきます。袋をつついて破り、なかのものを散乱させてしまいますので困っています。悪知恵が働くので、今のところはゴミにネットをかぶせていますが、イタチごっこになるでしょう。
(2010年4月刊。1700円+税)

 リヨンの旧市街をを見おろす丘の上にフルヴィエール寺院があります。歩いてのぼるのは大変なので、メトロに乗ります。駅の出口から見ると、目の前に大きな寺院がそびえています。
 裏側にまわると、リヨン市街地の全体を眺めることができ、爽快です。涼しい風が吹いてくるなか、高台にあるカフェーでコーヒーを飲みました。時差の関係でしょう、夕方五時になると、いつも眠たくなります。
 寺院から少し下ると、ローマ時代の野外劇場の遺跡があります。オータンにも広大な劇場がありましたが、リヨンもなかなかのものです。観客席の傾斜はすごく急になっていて、控えの建物まで残っています。ローマ帝国の偉大さを実感します。

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