弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2009年12月23日

新・日本のお金持ち研究

社会

著者 橘木 俊詔・森 剛志、 出版 日本経済新聞出版社

 面白い本でした。日本の金持ちの実情を知ることができました。
 弁護士は、所得という点では意外と冴えないことも分かったとされています。なるほど、それは日頃の実感としてよく分かります。
 高額所得者には医師が多いが、それも整形外科、美容外科、眼科などの科目に多いのであって、勤務医の所得はそれほどでもなく、かつ勤務医は所得も高くないうえに労働条件が過酷である。いやはや、実にそのとおりですよね。私は医師にならなくて良かったとしみじみ思っています。
 この本には、資産1億円以上の金持ちの居住マップが東京、大阪、愛知、兵庫、福岡などについて示されていて、そこにある高校も図示されているのが大きな特徴です。
 福岡には、年収1億円以上の金持ちは200人もいない。これは、愛知県や神奈川県の半分以下だ。なるほど、そうかもしれませんね。
 日本の金持ちの二大職業は企業家と医師である。そしてその職業では、同じ職業を子どもも継いでいる確率が高い。
 お金持ちは質素で堅実な消費行動をとっている。その3分の2は「こだわり派」である。
 一般の日本人の場合、商品のへのこだわりが低い「何も考えない消費者」が圧倒的多数であり、7割を占める。しかし、お金持ちは一般人とは逆に商品に対してこだわる。
 お金持ちは商品にこだわるものの、選択に時間はかけない。高価でも、いつもの店でいつもの店員からいつもの決まったブランド品を購入する。うむむ、そうなんですね。私も少しだけ似ています。
 高級ブランド品を販売するなら、そのターゲットには、ちょっと背伸びした中流階層向けに販売戦略を練るのが賢明である。
 本物の富裕層の圧倒的多数の趣味は、投資・資産運用である。
 年収1億円以上の金持ちの平均資産は54億円と巨額である。しかし、親からの相続とは関係がない。日本人は株式への投資が8%と少ない。アメリカでは33%もある。現金預金保有率は53%もある。アメリカは13.5%でしかない。
 お金持ちの6割は、子どもを私立に進学させている。
 お金持ちを分析すると、日本のもう一面が見えてきますね。
(2009年2月刊。1600円+税)

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