弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2008年12月17日

ブログ論壇の誕生

社会

著者:佐々木 俊尚、 発行:文春新書

 私も遅ればせながら、ブログを開設しました。実名で、顔写真も入っていますので、この書評以上に慎重に書いています(ゴメンナサイ)。
 いま、日本でブログを開設している人は868万人もいるそうです。全人口の7%というのは驚異的な数字です。おかげで、2006年末、日本は世界でブログの多い言語のナンバーワンで、37%占める。1位は英語で36%、3位は中国語。
 これも、日本人の日記好きに源流がある。なーるほど、そうかもしれません。紫式部日記、更級日記、土佐日記。いろいろ有名な日記が古来たくさんありますね。そんななかで、私のブログもスタートしたわけです。大海の一滴という心境です。少しでも反応があったらいいなと思っています。
 ウィキペディアは2001年に英語版がスタート。今では、250以上の言語でサービスが提供されている。利用者はアメリカで1400万人。日本でも700万人。書かれている項目は、英語で200万、日本語で40万ある。
 ウィキペディアには、誰でも匿名のままで参加できる管理者の承認は不要。
 私もセツルメントをウィキペディアで引いてみましたが、実体験のない人が想像をまじえて書いたような不正確な内容になっていました。そこで、私のブログに引用ものですが、もう少しましな紹介をしておきました。
 情報操作と公平な書き込みは紙一重だ。主観によって、どちらにも簡単に振れてしまう。
 インターネット空間では、左翼に対する拒否反応がものすごく強いそうですが、信じられません。ネット右翼が幅をきかせているというのは、なぜなんでしょうか。それって弱い者いじめと同じレベルのものではありませんか?たとえば、今の麻生首相のKYぶりだって、あまりにもひどすぎると思いませんか。その場の空気が読めないKY、漢字が読めないKY、そして人の気持ちを逆なでして怒らせてしまう政治家。こんなひどい政治家を首相にしている日本の現状をネットの上で大いに叩くべきなのではないでしょうか。
 この本には、日本共産党の志位委員長が国会で質問したときの様子が動画としてユーチューブにアップされ、大変な数の若者たちがアクセスして絶賛したことが、大変肯定的に紹介されています。3万回も閲覧されたというのですから、日本も捨てたもんじゃないと救われた気になりました。
 ニコニコ動画には、2ちゃんねるにはない特徴がある、コメントの文字数が制限され、しかもコメントはどんどん流れて行ってしまうため、2ちゃんねるのような誹謗中傷のコメントが発生しにくいメカニズムが働いている。
 これからはケータイの時代です。私の事務所では、いち早くケータイHPを開設し、毎週更新しています。そして、1週間に250前後のアクセスがあるのです。
 ケータイからのインターネットの利用者は7000万人近い。パソコンからのネット利用者は6600万人なので、パソコンからを大きく上回っている。ケータイ・インターネットの時代が本格的に到来しつつある。
 思春期の若者は、パソコンよりもケータイに親和性を感じる。ケータイ料金に定額制が導入されてから、ますますそうなった。
 日本では、ケータイから見られるウェブの世界と、パソコンから見られるウェブの世界はまったく異なった世界である。
 中学・高校でいじめられ続けて、人付き合いの仕方を教わる経験のない人は、ますます孤立してしまう。彼らが社会との細いつながりを維持するために利用しているのが、ケータイ・インターネットなのだ。
 日本のブログは、左翼への反発はしても、韓国のような政治運動の主体にはなりえないようです。でも、これって本当に残念なことですよね。
 だって、日本の若者が韓国の若者に劣っているなんて、そんなことは考えられませんよね。日本の若者には何かが欠けているのでしょう。それって一体、なんなのかなあ……。
 朝、庭に出て、桜の木に半分に切ったミカンを突き刺します。メジロがすぐに寄って来て食べ始めます。ピチピチ鳴きながら一心不乱に食べているメジロは可愛いですよ。ヒマワリの種をエサ入れに入れるのですが、こちらは誰が食べているのか分かりません。以前はキジバト向けのアワ・ヒエをやっていましたが、メタボちっくになりましたので、やめました。昼食のとき出るパンは、半分持って帰って庭に撒きます。大きなものはカササギが飛んできて食べますし、パンくずはスズメのエサになります。家を出ると、隣家のハクモクレンが白いツボミをふくらませています。冬来たりなば春遠からじ、です。


(2008年9月刊。760円+税)

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