弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2008年12月16日

思いやり予算と米軍天国

社会

著者・出版社 安保破棄中央実行委員会

 わずか60頁あまりの薄いパンフレットなのですが、読めば読むほど腹のたつ本です。いえ、書いてある内容が、です。日本って、アメリカにこんなに尽くさなければいけないのかとムラムラと怒りがこみあげてきます。
 日本に駐留するアメリカ兵は4万人。日本にあるアメリカ軍基地は134か所。日本は駐日アメリカ軍のために年6000億円をつかっている。これはアメリカ兵一人当たり1300万円となる。すごい金額ですよね、これって。これを減らそうという話が起きないって不思議です。
日本地位協定では、アメリカ軍基地はタダで提供するか、基地内の費用はすべてアメリカが負担することになっている。しかし……。
 金丸信防衛庁長官が、「思いやりの精神があってもいいじゃないか」と言って、1978年に62億円で始まったアメリカ軍のための「思いやり予算」は、2008年度は2083億円にまでふくれあがった。そして、この30年間で34倍という急膨張をとげた。この31年間を累計すると、なんと5兆3711億円にもなる。
 うひゃあ、す、すごーい。すごい税金のムダづかいです。だって、法的根拠は何もないのに、私たち日本国民の税金がアメリカ軍のために5兆円も使われているなんて、許せませんよね。世界の他の国で、こんな日本のようなことをしている国はありません。だから、アメリカは日本を手放さないのです。日本って、本当にアメリカのいいなりなんですね。日本外交に自主性がないのも、ここらに根拠があるのでしょう。
 結局、日本にあるアメリカ軍基地で、アメリカ軍人の給与以外はすべて日本が負担するようになっているようです。こんな馬鹿なことがあるでしょうか。それほど日本の国って豊かなのですか。お金がないからといって福祉の切り捨てはどんどん進んでいっているじゃありませんか。消費税を10%に上げるという話すら出ているのですからね。ひどいものです。プンプンプンプン。
 世界でアメリカ軍を一番受け入れているのはドイツだが、その111倍も日本はアメリカ軍の駐留経費を負担している。お隣の韓国と比べても、その6.6倍を負担している。在日アメリカ軍基地内の施設は、次々に新しく作られているが、それはすべて日本国民の税金によるもの。うへーっ、ひ、ひどいひどーい。
 たとえば、アメリカ軍人用の住宅が1万1295戸が作られた。1戸あたりの平均価格は土地代で4830万円。うひょーっ、これはぜいたく。
 アメリカ軍司令官用住宅は、243平方メートル。4つの寝室、3つの浴室、リビングは32畳敷、ダイニングは18畳敷、こ、これって、ちょっとした運動会でもできそうな広さですよ。浴室が3つもあって、どうするんでしょうかね。
在日アメリカ軍基地で働く日本人従業員は2万5000人。このうち2万3000人分の労務費は全額を日本が負担している。
 アメリカ兵が基地の外に居住しているときでも、その光熱水道料は日本負担。えーっ、な、なんで……。
 広大なアメリカ軍基地は、地代がタダ。アメリカ兵は税金も支払わなくていい。有料道路だってタダで通行していい。これは公務中だけでなく、レジャーのためでも同じ。
 アメリカ兵が日本で犯罪を引き起こした時の賠償金も日本が負担している。
 アメリカ軍が犯罪をおかして刑務所に入れられても特別待遇を受ける。昼からステーキ、昼食にフルーツ、夕食にはデザートがつく。カフェテリア方式で、自由に献立が選べる。
 また、毎日シャワーが浴びられ、居室にはスチーム暖房が付いている。
 な、なんということでしょう。ここまで日本人はアメリカに馬鹿にされているのです。こんな屈辱を味わわされながら、政府が国民に対して愛国心をもてなんていうのは、まるで信じられません。日本政府こそ、もう少し自分の国を愛する自覚を持って、アメリカと対等にモノを言えるようになってほしいものです。
 先日受けた仏検(準1級)の結果がはがきで通知されました。合格していました。基準点68点を2点オーバーした70点でした。合格率は24.5%ですから、4人に1人が合格したわけです。実は自己採点ではもっと甘くしていたのですが、仏作文の採点が辛かったのでしょう。自分でも不出来でしたので、仕方ありません。ともかく、第1問の名詞が全滅ですから、合格したのが不思議なほどです。準1級の筆記テストに合格したのは、もう5回目か6回目です。
 1月下旬に口頭試問を受けます。これは、まだ1回しかパスしたことがありません。


(2008年2月刊。400円+税)

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