弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2008年7月11日

モーターサイクル南米旅行日記

アメリカ

著者:チェ・ゲバラ、出版社:現代企画室
 チェ・ゲバラというと、キューバのカストロ前首相を連想し、てっきりキューバ人だと思いますが、実はアルゼンチンの人です。裕福な家庭に生まれ育ち、医師の資格を得て、南米旅行に出かけます。
 この本は、いかにも冒険好きの若者らしい、旅先で遭遇した数々の出来事を日記のように書きつづった日記をまとめたものです。
 チェ・ゲバラのとった写真と、とられた写真が何枚も紹介されています。とてもハンサムであり、なにより目の輝きがすごいです。ゲバラは、キューバ革命に成功したあと、アフリカにも渡り、次いでボリビアに潜入して政府軍と戦っているうちに負傷して捕まり、射殺されてしまいました。39歳でした。世界は、実に有能な人物を失いました。
 それはともかくとして、ゲバラ青年はオートバイで、気のあった仲間(男性)と2人で、あてのない旅に出ます。そのうち、そのオートバイは故障して走れなくなってしまいます。
 1952年6月14日。土曜日。貧乏な僕は、24歳になった。
 こんなくだりが出てきます。24歳のとき、私は何をしていたんだろう・・・。私は、司法研修所にいて、せっせと青法協(青年法律家協会)の活動にいそしんでいました。そのときの仲間は今も私にとって貴重な「財産」になっています。
 チェ・ゲバラの演説が紹介されています。キューバに学ぶ医学生の前で話したことです。
 戦争に備えるための仕事や、そのために投資される資本は、すべて無駄な仕事であり、捨て銭だ。戦争に備える者たちがいるばっかりに、ばかばかしいことに、我々もそうせざるを得ないのだが、私の誠心誠意と、兵士としての自負を込めて言うが、国立銀行の金庫から出ていくお金で一番わびしく思えるのは、破壊兵器を購入するために支払われるお金である。
 なーるほど、そうなんです。まったく同感です。
 いま、改めて南アメリカの各地でチェ・ゲバラが見直され、評価されているそうです。39歳で凶弾に倒れた前途有望な青年政治家をしのび、世界の平和のために、我々は今何をなすべきか考えるのも悪くないように思いますが、いかがでしょうか・・・。
(2004年9月刊。2200円+税)

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