弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2008年3月21日

団塊世代の2万2千日

社会

著者:江波戸哲夫、出版社:リベラルタイム出版社
 団塊世代の私にとっては、なつかしい話のオンパレードです。
 紙芝居なんて言っても、いまの若い人には何のことか分からないでしょうね。もっとも、最近、私の知人でもある政治家(まだ候補者でしかありませんが・・・)は、パワーポイントの映像を電気紙芝居だなんて言っています。
 近くの空き地に紙芝居のおっちゃんが来たとき、親の考えから小づかいをもたされなかった私は、買い食いを許されず、はるか遠くで眺めて指をくわえていたのでした。もちろん、紙芝居のおっちゃんはアメなどを買ってくれる子どもだけを対象にして紙芝居を演じたのです。「黄金バット」など、ハラハラドキドキの冒険物語が語られ、佳境に来たところ、ハイ、このあと次回のお楽しみ、となってしまうのです。よく出来ていました。
 わが家にテレビが登場した日もよく覚えています。それまでは、内風呂があるのに、近くの銭湯に出かけました。銭湯に入らないとテレビを見れないのですから、仕方ありません。大勢の子どもたちで満員盛況でした。「怪傑ハリマオ」とか「月光仮面」に胸おどらせました。
 高校に入り、そして大学では学園紛争の洗礼を受けました。『清冽の炎』(神水理一郎、花伝社)が、1968年の東大闘争を刻明に再現しています。なーるほど、そういうことだったのか、と思う状況の日々が詳細に語られているのですが、そんなことは思い出したくもないという人が意外に多いようで、さっぱり売れていないとのことです。
 でも、自分たちの通り過ぎてきたことを一度はふり返ってもいいんじゃないかしらん、と私は思います。もう、あれから40年たちました。既に現代史のなかに入った出来事なのです。
 この本を手がかりに、団塊世代が自分たちの生きてきた時代を大いに語ってもいいように思います。『清冽の炎』(神水理一郎、花伝社)について、先日、西日本新聞の書評ページに小さく紹介されていましたが、ぜひ、買って読んでみてください。
 庭のチューリップが1本だけ黄色い花を咲かせています。第1号です。これから続々と咲いてくれると思います。
 デパ地下でアスパラガスを買いました。珍しいことに佐賀産のホワイトアスパラガスもありました。アスパラガスを食べると春を実感します。わが家の庭のアスパラガスはまだ芽を出してくれません。
 登山用品店で登山靴を買いました。親切な店員さんから、靴のはき方、歩き方を教えてもらいました。かかとを地面につけてヒモを結ぶ。歩くときは地面に足を押しつけるように歩くということです。春ののやまを歩くのも楽しいですよね。
(2008年2月刊。1800円+税)

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