弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年4月28日

入管戦記

著者:坂中英徳、出版社:講談社
 東京入国管理局長だった著者が、日本における外国人処遇は現状でよいのかと問題提起をした本です。
 1970年ころの在日韓国・朝鮮人は65万人だった。1999年には52万人となった。2003年末には47万人。日本国籍を取得した人が20年間で12万人いて、毎年1万人の割合で減っている。1975年ころは、日本人との結婚は3割ほどだったが、 1999年には、それが8割となった。日本人との「同化」が急激に進行しています。
 名古屋入管の管内には14万人のブラジル人が居住している。4割近くを占めている。次いで、韓国・朝鮮の20%、中国15%と続く。名古屋にある、2000世帯の住む保見団地には3500人の日系ブラジル人が生活している。ブラジル人世帯の占める割合は56%になっている。ここでは、日常生活の大半をポルトガル語で生活しているし、やっていける。そうなんですね、ここまで来ているのですか・・・。単一民族の住む国なんて、もう言ってられませんよね。彼らの選挙権はどうなっているのでしょうか。税金だけとって、選挙権は与えないなんて、考えてみたらおかしいですよね。
 留学生が犯罪に走っている。2003年の留学生についての学校別検挙者数を調べると、専門学校や日本語学校よりも、東大・早大などの日本の有名大学が上位に名を連ねている。
 日本人の私たちは、もっとオープンに諸外国から訪れた人々を受けいれるべきだと著者は指摘しているように思います。とはいっても、エレベーターのなかで別の階から屈強な大男が乗りこんできたときには恐怖心を感じてしまいます。それは、単なる同乗者というより、目的があって乗りこんできたと心配するからです。
 単一民族であることを誇ってきた日本ですが(この認識は、もちろん正しくはありません)、否応なしに今やいくつもの民族が参入してきているのです。
 隣は何をする人のか、いま何を考えているのか、生活レベルでの共存を工夫すべき時代になってきているように思います。そのためにもコミュニケーションの必要がますます高まっています。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー