弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年9月22日

日露戦争の兵器

著者:佐山二郎、出版社:光人社NF文庫
 中国の大連には何度か行ったことがあります。一番最初に行ったときには、まだ旅順市内は外国人に開放されていないということでした。しかし、その後、行けるようになりましたので、二〇三高地や東鶏冠山堡塁力などを見学してきました。
 この本は、日露戦争当時につかわれていた兵器を写真つきで解説したものです。二〇三高地をめぐる凄惨な争奪戦がいかにすさまじかったか、いろんな本に書かれているのですが、こうやって兵器の写真を見ると、また一層イメージが湧いてきます。
 有名な28センチ榴弾砲はさすがに巨大で、10トン半もありました。これを、なんと人力だけで山上へ持ち上げている写真があります。また、二〇三高地に、これから胸と背の双方に爆薬をからって突撃しようとする日本軍の決死隊の写真もあります。これは、今ひんぴんと起きているイラクにおける自爆攻撃と同じようなものだったのでしょう。死んだら本当に天国に行けると思えたのか、かなり疑問ですが・・・。
 二〇三高地は、いま観光バスでのぼると、何の変哲もないなだらかな丘のような山並みです。ここをめぐって、何万、何十万人もの将兵が死んだなんて、とても信じられません。

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