弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年9月 2日

孤将

著者:金 薫、出版社:新潮社
 釜山には何度か行ったことがあります。李舜臣の堂々たる銅像には畏敬の念を覚えました。秀吉の理不尽な朝鮮侵略戦争に敢然とたち向かった朝鮮水軍の名将です。しかし、不幸なことに、朝鮮の宮廷からは反逆者とみられてしまうのです。その不幸にもめげず、再び日本侵略軍とたたかう指揮をとることになります。
 この本の日本語は見事なものです。拉致され帰国した蓮池薫氏の訳ですが、24年間もの長いあいだのブランクをまったく感じさせない重厚な文体です。中央大学法学部3年生に在学中に拉致された蓮池氏の知的レベルの高さに圧倒される思いでした。
 李舜臣が「乱中日記」を書いていたことを初めて知りました。それ自体も日本語に翻訳されているのでしょうか? どなたか、教えてください。
 原書は韓国では50万部をこえるベストセラーだそうです。

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