弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年6月 7日

南極って、どんなところ?

著者:柴田鉄治、出版社:朝日新聞社
 南極大陸の昭和基地で越冬生活した人にとってのいちばんのお土産品は、なんとキャベツだそうです。キャベツの葉をなまでかじる。これが涙の出るほどうれしいことなのです。
 新鮮な野菜に飢えているからです。といっても、最近は、野菜を室内で生産できる設備もあるようです。そう言えば、宇宙ステーション(このところ、その話題がなぜかマスコミには出てきませんね・・・。これも例のアポロが月まで本当に行ったのかどうか疑われていることに関連があるのでしょうか・・・)でも、野菜づくりが課題になっていましたね・・・。
 南極大陸の大きさは日本の33倍、しかし、インド大陸の4倍でしかありません。冬はマイナス45度。しかし、夏の昭和基地には雪がなく、天気のいい日には布団を屋外に出して干すそうです。南極大陸はどこの国の領土でもないと思っていましたが、なんと7ヶ国も領土宣言をした国があるそうです。日本は、もちろん領土宣言なんかしていませんが、40人もの越冬隊員がいるそうです(女性も、最高4人)。
 アザラシとペンギンは潜水するときには正反対の行動をとるそうです。アザラシは潜水する直前に息を吐き出し、ペンギンは逆に息を吸いこみます。アザラシは潜るときには楽でも、浮上するときに必死に泳がなくてはいけません。ペンギンは息を吸って浮力があるので潜るのに必死だけど、浮上するのは楽々なのです。初めに楽をするアザラシと、後で楽をするペンギンという違いがあるのです。面白いですね。
 南極大陸では隕石がよく見つかります。なんと、アメリカが発見した1万個を抜いて、日本は1万6千個も発見し保有しているというのです。月隕石が9個、火星隕石も6個もっています。月隕石や火星隕石というのは、小惑星の衝突を受け、クレーターができるときに地表から跳ね飛ばされた岩石です。300万年前に火星から飛び出して、数万年前に地球に落ちてきたというのです。300万年近くも惑星のあいだの宇宙空間を漂っていたというとんでもないスケールの話に、ボー然としてしまいました。
 南極大陸に取り残され、冬を生き抜いたカラフト犬のタロとジロの話も出てきます。今でもはっきり覚えています。1959年1月のことです。私は小学生でした。
 南極大陸の氷が地球の温暖化によって溶けつつあるという報道もあります。良好な自然環境を子孫にきちんと伝え残すのも私たちの責務のひとつではないでしょうか・・・。

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