弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年11月 1日

捨てよ!先端技術

著者:森谷正規、出版社:祥伝社
 日本は先端技術を開発し続けることによってのみ、世界の企業のなかで生き残れると思っていました。しかし、著者は、それは間違いだと力説しています。
 現に、日本は、超LSIメモリのDRAMで韓国のサムスンに抜かれ、液晶ディスプレイでも敗けてしまいました。先端技術の分野では、今や後発国にタジタジの有り様です。
 では、どこに日本の将来はあるのか?
 著者は日本の自動車産業が世界を制覇していることに注目します。むしろ、成熟産業で日本の優位は揺らいでいないのです。乗用車の開発・設計は、3万点の部品とその構成を最適なものにまとめ上げる仕事である。それは膨大な作業であり、2年から3年の長い年月を必要とする。その作業をできるかぎり効率的に進めて、優れた性能、良い乗り心地の成果を十分に上げるためには、設計者たちは長年かけて得た熟練を必要とする。つまり、長く深い蓄積が乗用車の開発・設計には不可欠である。このような深い蓄積こそが、日本企業がこれから力を発揮していくカギである。
 人材をつくるためには規則をつくらないこと。そんな提案もなされています。
 なるほど、そうなのかと感心しながら読みました。

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