弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年8月 1日

文学賞メッタ斬り

著者:大森望、出版社:パルコ出版
 正直いって、私は賞を狙っています。実は、今まで何回も出品しました。残念なことに一度も入選していません。いえ、佳作みたいになって、出版しませんかという誘いを受けたことはありました。もちろん、すぐに誘いに乗りました。出版社の商魂に乗せられたわけですが、それでもいいのです。この本は、芥川賞、直木賞その他もろもろの文学賞全部の内幕を暴露しています。
 宮城谷昌光は私の愛好する歴史小説の書き手ですが、選者となって、次のように評しています。
 はじめて選考会に出席してみて、具眼の選者の末席に雙眼をすえたというおもいがした。
 さすがに漢文を得意とするだけあって、難しい日本語です。
 石原慎太郎都知事が今も選者となっているそうです。たまりませんね・・・。
 閉塞とか日本社会の衰退とかを文学と重ねるとこ。エラソーな、ごタイソウーなことを言って候補作を否定していく御仁(ごじん)。
 選者としての高樹のぶ子についても否定的に紹介されています。
 全否定だが、多数決に従う。心地よくない。ともかく私は反対した。これじゃあ、まるでPTAのおばちゃんみたい。そもそも小説家として、そんなにすごい人なのか・・・?
 それはともかくとして、この本を読んで、私の畢生の夢であるナントカ賞受賞の可能性がずい分と遠ざかってしまった気がしてしまったのは本当です。トホホ・・・。

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