弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年6月 1日

いま、法曹界がおもしろい

著者:坂和章平、出版社:民事法研究会
 ベテラン弁護士と新米弁護士のコンビで書かれた本、ではない。もうひとり、なんとベテラン事務局長も執筆陣に加わっているので、本に重層的な深味が出ている。事務職員の眼から見たベテラン弁護士の素顔の一端ものぞける。弁護士と法律事務所って、こんな感じで動いているのかと、外部の人にもよく分かる。
  この本はこの4月からスタートした法科大学院生をターゲットとしている。思いたってから、わずか4ヶ月でこれだけの本に仕立てあげる才能はやはり異才と言うべきだろう。
  大学での授業(集中講義)を2冊の本にまとめたのも読んだが、うーん、よく勉強してると感心した。また、映画評まで本にしている。私も映画はつとめて見るようにしているが、ホラー映画のような見たくもない映画は決して見ないので、映画評論家にはなりたくもない。そこを乗りこえている著者を偉いと言うべきか、私にはいささかのためらいがある。
  ともあれ、大阪の名うてのベテラン弁護士が法曹界の実体を分かりやすく紹介している本なので、初心者には一読をおすすめしたい。

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