弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年6月 1日

天下布武の城・安土城

著者:木戸雅寿、出版社:新泉社
 織田信長による安土城の創建当時の姿が、発掘を通じて明らかにされていく過程が紹介されています。ご承知のとおり、安土城は明智光秀による本能寺の変で、わずか3年で焼滅してしまいました。安土城のあったところは安土山と呼ばれて海に囲まれていました。空から見た写真があります。戦後の干拓事業によって、今では、周囲の海は埋め立てられて水田になっています。
  大手道の石段には石仏も使われています。でも、これは信長が不信心であったというより、当時はよくあることで、無縁となった石仏は石材にすぎないとみられ、よく転用されていたようです。それにしても、大手道は幅6メートル、直線130メートルです。かなりの勾配があり、そこを登っていくわけですから、頭上にそびえたつ天守閣は、実に壮観だったでしょう。なにしろ天守閣の瓦には金箔が貼られ、キラキラ輝いていたのです。
  安土城には天皇を迎えるための建物も用意されており、そのための本丸御殿より上に信長の住む天守閣があったのです。安土城の様子を知ると、49歳で暗殺された信長が、いかにスケールの大きい人物であったか、より偲ぶことができます。
  この5月、安土城にのぼってきました。現地に立ってみると、信長の発想のスケールの大きさに圧倒されます。近くに「信長の館」があり、安土城の天守閣の5層と6層が想像復元されています。スペインの万博にも出品されたものです。その壮大さに気圧されて声が出ないほどでした。大いに一見の価値があります。
  『安土城』(小学館ウィークリーブック)は、CGも使って、ビジュアルに安土城の全体を復元しています。

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