弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年5月 1日

それでもヒトは人体を改変する

著者:グレゴリー・ストック、出版社:早川書房
 遺伝子を付加する方法がわかれば、よりすぐれた人類をつくりだせるとすれば、なぜそれをしてはいけないのだ?
 この疑問に真正面からこたえ、それを否定するには、人間とは何かということまでさかのぼるというような、かなり根本的なところまで考えぬく必要があります。
 アメリカでは、エリート大学に属する学生は民族的にも文化的にも以前よりずっと多様化しているが、彼らは全人口のなかの限られた層の出身である。1990年にエール大学とハーバード大学にアメリカの全大学生の400分の1が入学したが、成績優秀な学生の10分の1が含まれていた。超一流大学への知的エリートの集中は新しい現象だ。
 この本は、次のような問いを投げかけています。あなたは体外受精と遺伝子工学とをつかって安全に赤ん坊の能力を増強するのが可能だとする。そのとき、あなたは子どものIQ値を20ポイント上げるようにするか?もし、そうしないとき、子どもが大きくなったときに、なぜ、ほかの子どものように自分の頭がよくないのかと尋ねられたとき、どう答えるか?うーん、本当にそんな時代がやって来るのでしょうか・・・?

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