弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年5月 1日

筑後争乱記

著者:河村哲夫、出版社:海鳥社
 筑後の戦国期で活躍した蒲池一族の興亡を中心として、戦国時代の筑後の争乱の過程が詳しく描かれています。蒲池一族は、大分の大友氏に服属しながら、「筑後15城、24頭の旗頭」と称されていました。
 キリスト教に改宗した大友宗麟の島津氏攻撃が惨敗に終わり、大友氏は滅亡するに至った。このとき、蒲池一族も出兵したが、全滅してしまった。
 龍造寺隆信は、蒲池一族を攻めたが、蒲池一族は柳川城にこもって徹底抗戦した。そこで、龍造寺隆信は謀略をつかった。蒲池鎮並の妻が自分の娘であることを利用して安心させ、猿楽一座とともに招待して、旅の途中で抹殺してしまった。
 その龍造寺隆信も、島津氏との島原における沖田畷(なわて)の戦いで、慢心から敗死させられた。やがて天下統一のなした秀吉の大軍が九州全土を席巻するようになり、蒲池一族も辛うじて命運を保つこととなった。
 やはり自分の生まれ育った郷土の歴史も少しは知っておくべきだと痛感しました。自分の住んでいる近くに今山城があったなんて、ちっとも知らなかったものですから・・・。

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