弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年11月 1日

北島亭のフランス料理

著者:大本幸子、出版社:NHK出版
 オーナーシェフは1951年に筑後市で生まれた。高校生のころは札付きの不良学生だったという。それがロイヤルに入り、フランスにも渡って料理人として修業を積む。この本は朝7時からの「北島亭」の1日を厨房に入って追う。しかし、シェフは朝7時に店にはいない。弟子たちに働かせてシェフはまだ寝ている。もちろん、そんなことはない。シェフは朝7時には築地の魚市場に自ら買い出しに出かけている。その日の新鮮な食材を見て料理を考え、素材を生かす工夫をこらす。肉は芝浦の食肉市場で仕入れる。
 厨房の料理長の主たる任務は、全体の動きを把握して進行を指揮すること、出来上がる料理の味を確認すること、盛り付けを確認することである。プロにしか出せない味、食通をうならせる、バラ色の極上ステーキ、300グラム。そんな究極の味が出来上がる過程が刻々と紹介されていく。あー、こんな店で極上の味を堪能してみたい・・・。思わずツバをゴクリと飲みこんでしまった。そんな美味しい本だ。

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