弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年10月 1日

刑務所の中のごはん

著者:永井道程、出版社:青林工芸社
 刑務所ではどんな食事をしているのか。いわゆる臭い飯って、どんなものか。知りたいと思っている人は多いと思う。この本は、それに図解入りでこたえてくれる。体験談だから間違いないと思うが、かなり美味しいようだ。
 ご飯は麦が4割。お米は玄米で買って中で精米するので意外に美味しい。ボリュームのあるカレーもあり、ウナ丼もある。ある日の献立を紹介すると、朝は梅干し、まぐろ缶にご飯と味噌汁、昼はサワラの塩焼・肉ジャガ・桃缶、夕方はけんちん汁・大根あさり煮・めかぶ・ブルガリアヨーグルト。10日ごとに食事のメニュー表が 貼り出されるが、年に1回開かれる献立編成会には受刑者の代表も参加する。夏にアイスクリーム、節句に柏餅、クリスマスにはケーキ、正月には2段重に入ったおせち料理という特別食が出る。正月3ヶ日は、ラジオを聴きながらのんびりとせんべいやチョコレート、羊羹をつまむこともできる。といっても刑務所の中では、食べて働いて寝るという非常に単調な生活が毎日毎日くり返される。自由が奪われているなかで、食べる楽しみだけはあるということだろう。

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