弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年8月 1日

ピアフ、愛の手紙

出版社:平凡社
 エディット・ピアフの「愛の讃歌」は有名なシャンソン。この本はピアフが妻子ある男性で、プロ・ボクサーのマルセル・セルダンとかわしたラブレターを集めたもの。いわば不倫の男女の恋文集。
 あたし幸せよ。あたし日に日にだんだんと身が清まっていく感じだもの。汚れない身になるの。あなたがあたしにしてくれたことは、もうひとりの別のあたしに変えてくれたこと・・・。ありがとう、モナムール。だってあたしは今、怖がらずに人生を真正面から見つめているもの。あたし心の底から女になるって感じてるのよ。生まれて初めてよ。それもあなたのお陰ね。あたしの恋心はあなたを待っていて、あなたを愛したその日から人生が始まったの。とってもシンプルなことよ。
 弁護士として不倫事件を扱い、男女間のラブレターを読まされることは多い。しかし、本にできるほど読む人の心をあたたかくする手紙は少ない。ピアフの手紙は心のときめきがまっすぐ伝わってくる。最近のメールはたいていは赤面してしまうだけのものが多い気がする。

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