弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年7月 1日

裁判官が日本を滅ぼす

著者:門田隆将、出版社:新潮社
 裁判官が間違いだらけ?そんなバカな!
 相場主義、良心の欠落、無罪病、傲岸不遜、常識の欠如。これはオビにあるフレーズです。日本の法廷には、欺瞞と策謀が渦巻き、虚偽が罷り通り、正義さえかえりみられない。
 えっ、ここまでいうの?そんな驚きもあります。本文で紹介されているいくつかの事件については反論の余地も大いにありますが、このような内容の本が新潮社から刊行されて本屋の店頭に並んでいることは、国民の裁判所に対する不満のあらわれとみるべきでしょう。この本が問題にしていることの一つである最高裁事務総局の裁判官が自民党議員にロビー活動していることは厳然たる事実です。卑屈なまでに自民党にすり寄っている実情があります。そこでは司法権の独立を守るというより、自らの狭い権益(既得権ないし特権)を守りたいというものでしかありません。

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