弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2003年7月 1日

戦争広告代理店

出版社:講談社
 この本の著者・高木徹氏は現在、NHK福岡放送局に勤務中のようです。2000年10月のNHKスペシャル「民族浄化へユーゴ・情報戦の内幕」(私は見ていません)を本にしたものです。
 ユーゴスラビアの内戦について、アメリカの大手PR企業と結びついて情報操作で世論を「セルビア=悪玉」に導いていった過程が手にとるように具体的に暴露されていて、なるほどとうなずいてしまいました。
 「民族浄化」「強制集要所」などの言葉がキャッチコピーとして練りあげられ、写真のキャプションや証人が簡単につくり変えられ、マスコミが踊らされ、またマスコミが狂奔していく様子には、心寒いものがあります。アメリカ軍のイラク占領を支えに自衛隊がイラクに出かけようとしている今、ぜひ、一読をおすすめします。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー