弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年4月 9日

兵器を買わされる日本

社会


(霧山昴)
著者 東京新聞社会部 、 出版 文春新書

読むほどに腹の立ってくる本です。コロナで大変な日本なのに(全世界がそうですが、それはともかくとして...)、医療崩壊を喰い止めるために医療費を増大させる必要があることは明白なのに、軍事予算を削って、医療・福祉にまわすという政策が出てきません。せいぜい一世帯にマスクを2個、郵便で送り届けますというピンボケ策です。
真相を隠し、責任転嫁を図って政権を維持することしか頭にないアベ首相をいただく日本国民は不幸です。最大の災難は、とんでもない首相から来ているとしか言いようがありません。
日本はアメリカから最新鋭のステルス戦闘機F35を105機購入する。すでに決まっている42機とあわせると147機。1機120億円として、105機で1兆2600億円。
安倍首相ほど、トランプ大統領にこびへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいないだろう。
これは、アメリカのワシントン・ポストの記事です。いやはや、とんでもない「愛国者」です...。
2019年度の防衛予算は5兆2574億円で、防衛費は5年連続で過去最大を更新し続けている。
今年(2020年度)も、コロナ・ウィルス対策で予算組み替えするかと思うと、何もせずに、同じように軍事優先、医療福祉の切り捨てのままでした。驚くべき冷酷さです。
増大する日本の防衛費にアメリカの関係者が群がっている。要するに、日本の軍事予算の増大は、日本を守るためというより、トランプ大統領を支えているアメリカの軍需産業のためなのです。本当に嫌になってしまいます。
日本はヘリ空母「いずも」をもっているが、実は、海上自衛隊は慢性的な人員不足。空母の運用には人員確保が難しい。現場はほしいと言っていないのに、トップダウンで空母化が押しつけられているだけ。
基地騒音公害で周辺住民に巨額の賠償金が支払われている。地位協定によるとアメリカも分担金を支払わなくてはいけないはずなのに、アメリカは分担金を払っていない。そして安倍政権はアメリカに対して支払えと請求してはいない。恥ずかしい限りです。
イージス・アショアは、安倍首相がトランプ大統領に買わされたもの。イージス・アショアは、日本の防衛のためではなく、アメリカ本土を守るためでしかない。ハワイとグアムのアメリカ軍基地を守るためのシステムだ。
いやはや、何ということでしょう...。日本を守るための軍事予算といいつつ、実は自分たちの政権を維持するため、そして日本の軍需産業のためというのです。やり方が汚ないですよね。ホントに腹がたちます。プンプンプン...。
(2019年12月刊。850円+税)

 今年は満開の桜をいつまでも眺めて楽しめます。出勤途中、横手にある小川の土手の桜並木を見ると、心がほっこりします。
 庭のチューリップは盛りをすぎ、白をベースとした黄色のアイリスの花が加わりました。シャガの白い花も咲きそろっています。ジャガイモが芽を出して、茎が伸びていて楽しみです。周囲の雑草をとってやります。 そしてアスパラガスがいつものところに毎日1本、2本と収穫できます。電子レンジで1分間、チンすると、春の味を楽しめます。
 コロナさえなければ、春らんまんを思う存分に楽しめるのですが...。

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