弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年2月11日

「マルクス&エンゲルス」(1巻)

ドイツ・イギリス


(霧山昴)
著者 野口 美代子、丸川 楠美 、 出版  高文研

いまアメリカでは、大学生をふくむ若者たちが社会主義に惹かれているそうです。そう言えば、民主党の有力な大統領候補であるサンダース議員は民主的社会主義者と自称していますし、若きオカシオ・コルテス議員も同じ潮流でしたよね・・・。
これはマンガ本です。私は映画「マルクス・エンゲルス」もみていますが、まったく映画の雰囲気と同じだと思いました。
第1巻は、マルクス・エンゲルスの幼年時代のエピソードに始まります。
マルクスもエンゲルスも、それなりに豊かな家に生まれ育ち、そして成績も優秀でした。
エンゲルスはベルリンでヘーゲル哲学を学んだ。そこで、神が人間をつくったのではない。人間が神をつくったのだという文章に出くわした。
エンゲルスは工場経営者の息子でもあり、その工場で働く労働者の状況も調べて本にまとめた。
いやあ、映画といい、このマンガといい、よくぞ当時のヨーロッパの雰囲気を伝えてくれます。
私は大学生になってから、必死でマルクス、エンゲルスの本を読みました。そのなかの一つがエンゲルスの『イギリスにおける労働者階級の状態』であり、マルクスの『経哲草稿』を読んだのです。
この本のあとがきにも、映画『マルクス・エンゲルス』をみて感動して発奮したと書かれています。マルクス・エンゲルスの古典に導かれる手引書としてたくさんの若者に読まれてほしいと思いました。
(2020年1月刊。650円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー