弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年8月17日

パスタぎらい

イタリア・社会

(霧山昴)
著者 ヤマザキ マリ 、 出版  新潮新書

私はパスタが大好きです。日曜日の昼食には、よく食べています。福岡空港でも、よく日替わりパスタを食べます。赤ワイン1杯とともにいただきます。
ところが、長くイタリアに住んでいた著者は、若いころ過剰に摂取したため、パスタに食欲をそそらなくなったといいます。悲しいことです。パスタの代わりにソバやソーメンを食べるとのこと。
著者がたまに食べるパスタはカルボナーラ(私の好物のひとつです)ではなく、また和製ナポリタン(私はこれも好きです)、納豆パスタ(私の大好物です)なのです。
イタリアのパンは、あまり美味しくない。日本のパンは、すこぶる美味しい。私もパンは好きなのですが、いかんせん腹持ちしないので、むしろコンビニのおにぎりを買ってしまいます。
この本では、著者も、そして日本に来たことのある海外の人に圧倒的に好まれているのは、なんとラーメンだというのです。これには驚きました。私はトンコツラーメンが好物なのですが、実は最近あまり食べていません。体重制限と健康管理を意識している身として、ラーメンはあまりにも身の毒というイメージが強すぎるからです。
それに反して、日本のおにぎりは、海外では、あまり受けがよくないようです。私は、ときに近くの小山にのぼりますが、そのときに見晴らしのよい頂上で食べるおにぎり弁当は最高です。おにぎりを包むノリの「独特の臭いを放つ海苔」がハードルを高くしているとのことです。これは食習慣の違いでしょうね。
日本人の舌が肥えているという例証として、著者があげたのはなんとポテトチップスです。私は久しく食べたことがありませんし、食べるつもりもありません。味覚と食感が徹底的に追及されて、世界最高だといいます。まあ、これは好みの問題でしょうね・・・。
海外では卵かけご飯を食べたら、すぐに病院送り、医師は、「生卵を食べたって・・・、死にたかったのかい?」と言う。生卵にはサルモネラ菌が多く生息している。生卵のもたらす食中毒の苦しみは半端なものではない・・・。
博多駅にある「卵かけご飯」の店は、入ったことがありませんが、いつ前を通っても満席です。
著者のマンガは読んでいないのですが、先にこのコーナーでも紹介しました『ヴィオラ母さん』は絶賛します。
軽く読める世界の美味しい食文化紹介の本です。
(2019年5月刊。740円+税)

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