弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年7月16日

養蜂大全

(霧山昴)
著者 松本 文男 、 出版  誠文堂新光社

ミツバチの育て方のすべてが豊富な写真とともに懇切丁寧に紹介されています。まさしく、「大全」です。そして、ミツバチを育てるのに何より必要なのはミツバチへの愛情だと強調されていますが、その愛情あふれる記述に、読んでいて心が和みます。
主としてセイヨウミツバチの飼育ですが、ニホンミツバチについても飼育上の注意が書かれていて、蜜源植物まで網羅されています。読むだけでも楽しいミツバチ百科全書です。
春の1頭(1匹とは呼びません)のハチは、10頭も20頭ものハチの世話をする。常に、1頭たりともハチの命を無駄にしてはいけないという気持ちが大切だ。
巣箱は、日当たりのよい南向きか東向きの平地がベスト。北風を受ける場所は避ける。北風が巣を冷やし、巣に戻ってくるハチが向かい風にさからうのは大変だから・・・。
湿地も避ける。カエルやムカデがいて、病気が発生しやすいから。
堆肥は積んである畑から3キロ以上離れる。密に臭いが混じることがある。ハチは静かな環境を好むので、車の往来が多く、振動があるところも避ける。
ハチは冷たい水を飲むと弱ってしまうので、秋からヒーターを入れて、日なた水の水温を保つ。
ハチを飼うなら、血筋を重視すべき。おとなしい気質、分蜂しにくい、病気に強く越冬力がある、分蜂しにくい・・・。
ハチを育てるなら、養蜂振興法にもとづく飼育届を県知事に提出する。
ハチは、そんなに人を刺さない。ハチの機嫌が悪くなるようなことをしなければ、不意に刺されることは少ない。ハチの針はメスの産卵管が変化したもの。だから、オスには針がない。
刺すのはメスの働きバチと女王バチだけ。そして、女王バチが刺すのは、ライバルの女王バチと戦うときだけ。だから、人を刺すのは、働きバチだけ。
ミツバチは、針を失うと、やがて死ぬ。刺すというのは、まさに命と引き換えの行為。
ハチが機嫌を損ねるのは、採蜜の翌日、そして悪天候の日。ハチが耳元で羽音を立てて威嚇行動をしているときは、騒いだり、手ではらったりせず、落ち着いて静かにその場を去る。
ハチの針を抜くときは、指でピンとはじいて、患部から落とす。指でつまんで抜くと、針の「かえし」によって、よけいに肌の奥に毒を入れてしまう。
スズメバチは虫取り網で捕まえるのが、もっとも確実。失敗せず1回で捕まえる。失敗すると、人を攻撃してくることがある。
ミツバチの行動(飛行)半径は2~4キロほど。1日に10回以上も繰り返して、蜜や花粉を集め続ける。小さじ一杯のはちみつを集めるには、働きバチ1頭が5日間稼働し、レンゲなら1万4千もの花を回る必要がある。
女王の寿命は3年から4年。2年目以降は産卵能力が低下するので、養蜂では1~2年で更新するのが一般的。
ミツバチは夏場は30日ほどの寿命。秋生まれだと冬を越し、4~5ヶ月働き続ける。
一般に40日ほどが働きバチの生涯。
実際には大変で、私なんかに出来るとは思えませんが、ミツバチを飼って育てるというのも楽しいだろうなと思わせてくれる写真たっぷりの大全でした。
(2019年4月刊。3000円+税)

朝、車庫のコンクリート床に干からびたモグラを発見しました。なぜか、ときどき死んだモグラを地上に見かけます。
 ヘビに追われて地上に出てきたのでしょうか。わが家の庭にはモグラもヘビもいることは間違いありません。
 いま、庭にネムの木がたくさん赤っぽいピンクの小さな花を咲かせていて、そこだけ華やかです。
 今年は梅雨入りが遅かったせいか、セミの鳴くのも例外よりかなり遅く、心配していました。炎暑の夏が再びやって来そうで、今から心配しています。

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