弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年3月 9日

珈琲の世界史

社会

(霧山昴)
著者 旦部 幸博 、 出版  講談社現代新書

私は喫茶店でホットのカフェラテを飲みながら原稿を書くのを習慣の一つにしています。適度な騒音に囲まれながらの執筆のほうが集中して作業がはかどります。もっとも、隣でおばさんたちの面白い世間話だと気が散ってしまいますけれど・・・。
 世の中にコーヒーって、こんなにたくさん種類があって、それぞれ歴史があったのですね・・・。
コーヒーは、コーヒーノキというアカネ科の植物の種子(コーヒー豆)からつくられる飲み物。コーヒーは全世界で1日に25億杯のまれている。水、お茶(1日に68億杯)に次ぐ世界3位の飲み物。1杯あたり、お茶は2グラムに対し、コーヒー豆は10グラム。フィンランドは1人1日3.3杯、アメリカは1.2杯。日本は1杯。
コーヒーノキは、アフリカ大陸原産の常緑樹木熱帯産なので寒さに弱い。
最大生産国のブラジルが世界の3分の1を占める。次いで、ベトナム、コロンビア、インドネシアと続く。アラビア種とロブスタ種、そしてリベリカ種の3種がコーヒーの3原種。アラビア種が世界の生産量の6~7割を占める。残る3~4割はロブスタ種。
17世紀後半のイギリスでは、人口50万人のロンドンに3000軒ものコーヒーハウスが立ち並んでいた。市民が政治談議をし、世間話をする交流の場だった。ところが、当時のコーヒーハウスは女子禁制だった。
 フランスはイギリスより少し遅れて17世紀後半にカフェが始まり、18世紀はじめには、人口50万人のパリに300軒のカフェがあった。フランス革命直前の1788年には人口60万人のパリに1800軒のカフェがあった。フランス革命はカフェに始まったと言える。
アメリカの南北戦争のころ、北軍では兵士に戦地でコーヒーが支給された。南軍のほうはコーヒー不足のため、タンポポの代用コーヒーを飲んでいた。
戦争のときは、戦地での眠気防止や疲労感の軽減に役立つということで、前線の兵士にコーヒーが支給されていた。コーヒーの覚醒と興奮作用を軍が利用したわけである。香りや温かいものを飲むという行為が兵士にとって貴重な安らぎとなり、ストレス軽減につながった。戦争とコーヒーが結びついていたというのは悲しいことですね。
江戸時代、大田南畝(蜀山人)がオランダ人の船でコーヒーを飲んだことを書いています。そこでは「焦(こ)げくさくて、味わうに堪(たえ)ず」という感想を残しています。たしかに私にとっても、子どものころのビールと同じで、苦いばかりで、まずいと思ったものでした。
私の大学生のころ(1967年に大学にはいりましたので、50年前のことです)は、喫茶店に入ると、コーヒー1杯で最長5時間ほども話し込んでいました。それでも幸いにして追い立てを喰うことはありませんでした。おおらかな時代だったのです。
今度、スタバが高級コーヒーを売り出すとのこと。いくらでしょうか。また、原稿書きできる環境ではあるでしょうか・・・。コーヒーは今や、なくてはならない存在です。
(2017年10月刊。800円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー