弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年11月29日

弁護士の情報戦略

司法

(霧山昴)
著者 髙井 伸夫 、 出版  民事法研究会

弁護士にとっての情報戦略とは、「新説」を創造し、発表し続けること。そのためには、新説をつくった弁護士に対して法律事務所は評価を高くしなければいけない。
イノベーションは、法律事務所の生命線と言ってよいもの。
リーダーに求められる強い精神力の中身は、判断力、実行力、人間的掌握力に集約される。
弁護士に要求されるリーダーシップとは、反対派や相手方の弱点を明確に見抜き、拡大させ、えぐり出し、白目の下にさらすこと。
現代社会においては、称賛による励まし、勇気づけがもっとも大切なこと。そうやってリーダーシップの基盤となる自立心・連帯心・向上心を正しく伸ばしていく。
早めの準備が迅速な判断に通じる。拙速は巧遅に勝る。迅速で歯切れよい判断力は、非常に重要な能力である。
依頼者に決して偽証させない。そして、裁判官の共感・信頼を得るように最大限努める。
弁護士は依頼者のために尽くす。そして、弁護士として依頼者のために尽くすべく、業務に誠心誠意取り組んでいる。このことを依頼者に納得してもらう必要がある。
AIは考えぬくことができない。だから、弁護士の仕事をAIが完全に行うことはできない。
考えぬいた末に得られる知性を身につけることは、人間にとってきわめて重要なことである。
前例や過去の裁判例にばかり気をとられて、新しい概念を生み出すチャレンジもせず、一種の思考停止に陥ってしまい、考え抜く努力を怠る者は真っ先にAIやロボットにとって代わられるだろう。
新説を生み出す読み方は、視野を広げよう、深めよう、というたたかいでもある。それには、まさしく不屈の魂が必要なのだ。
著者の本はかなり読んでいます。その多くをこのコーナーで紹介しました。いつも大変勉強になっています。
(2018年10月刊。1700円+税)

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