弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年5月13日

スバル360開発物語

社会

(霧山昴)
著者 桂木 洋二 、 出版  グランプリ出版

スバル360とは、軽自動車の車名です。1958年(昭和33年)3月に売り出され、12年間もモデルチェンジされませんでした。42万5000円で売られましたが、これは1500CCの小型乗用車の半値以下でした。もっとも、ふつうのサラリーマンの年収を大幅に上回っています。それでも、売れました。軽自動車の免許で乗れ、安くて故障が少なく、加速力などの性能が良かったのです。
小さいクルマなのに室内が驚くほど広く、加速が良いうえ軽快に走りました。丸くてずんぐりとした形で、愛嬌がありました。富士重工業がつくり、伊藤忠商事が販売しました。
私が40年前にUターンして独立開業したときの初めての車はスバルの中古車でした。あろうことか走行中に交差点のド真ん中でエンストを起こし、3歳の長男が泣き出してしまいました。親切な若者がうしろから押してくれて、危地を脱することが出来ました。中古車って、そんなこともあるのか・・・と悟り、それから車音痴で安全第一の私は中古車に乗るのはやめました。
スバルは「すばる」のこと。清少納言の『枕草子』に「星はすばる」とありますが、プレヤデス星団を指しています。ちなみに、このコーナーの著者名(ペンネーム)も昴(すばる)です。
スバル360の開発計画がスタートしてから、わずか1年4ヶ月で試作車第1号が完成した。驚くべき速さだった。
クルマのデザインは、会社にとって最高機密に属する。
スバル360が走っていたのは、私が小学生から中学・高校生までのことです。よく見かけました。ダイハツのミゼットは高用車でしたが、スバル360は家族そろってのお出かけに最適だったようです。
なつかしいクルマに久しぶりに出会うことができる本でした。
(2015年5月刊。1600円+税)

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