弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年2月 8日

夜の放浪記

社会


(霧山昴)
著者  吉岡 逸夫 、 出版  こぶし書房

 東京の夜をさまよって得た取材記です。
 都内を夜に走るダンプカーが必要なのは分かります。午前2時半から5時まで、横浜と町田間の90キロを走るのです。積荷は建設用の砂。ダンプの運転手は、夜10時から午前1時半まで3時間半眠り、仕事が終わって、朝6時半から寝て9時半に起きる。あとは自由。
 トラックはデコトラ。派手に装飾されている。映画「トラック野郎」(菅原文太主演)に協力・出演した。デコトラのクラブが全国に500もある。すごいですね。でも、前ほどは見かけない気がします。
 新宿の新大久保には24時間の青果店があり、客の9割は外国人。中国人、韓国人、ベトナム人、ネパール人などなど。タイ人もいれば、ミャンマー人も来る。深夜にも客が絶えないとのこと、どうなってるんでしょうか・・・。
 渋谷区の恵比寿横町には、ギターを手に夜の酒場をめぐる「流し」の歌姫がいる。そう言えば、昔はギターを抱えてスナックやクラブを渡り歩く「流し」をよく見かけました。今は、私の身近には見かけません。そもそもスナックもクラブも人口減少のあおりもあって不景気で、それどころではないようです。
 両国の国技館の売店で売られている焼鳥は夜中に全自動でつくられている。うひゃぁ、そうなんですか・・・。
眠らない職場といえば、私の身近にも多いのが介護施設です。介護の現場で働く人には、本当に頭が下がります。必要な仕事ですが、きつい割には低賃金のため、定着率が良くないですよね。残念です。役にも立たないイージス・アショアにまわすお金(2600億円以上もします。とんでもない大金です)があるんだったら、そんなのやめて介護・福祉予算にまわすべきです。
そして、24時間保育園もあります。夜の仕事をしている母親にとって、なくてはならない施設です。でも、ここでも保育士の確保に苦労しているようです。
私は24時間コンビニなんていらないという考えですが、それでも病院のように24時間オープンの施設が必要なことも現実です。その一端を改めて認識させられた本です。取材した記者(著者)も病気で倒れたとのこと。気をつけてがんばって下さい。
(2017年12月刊。1800円+税)

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