弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年11月16日

米朝戦争をふせぐ

社会

(霧山昴)
著者 和田 春樹 、 出版  青灯社

金正恩もトランプも、二人そろって世界最大の危険人物だと思います。安倍首相は「平和国家日本の責任」をしっかり果たすべきなのに、いつもいつもトランプの言いなりです。本当に恥ずかしく、情ない日本の首相です。
わずか112頁のブックレットですが、大切なことが指摘されています。ぜひ、あなたも今すぐお読みください。遠い将来のことではなく、下手すると明日にでも「偶発」事故から核戦争が勃発しそうなのです。
アメリカが北朝鮮を攻撃すれば、アメリカ本土をまだ攻撃できない北朝鮮は、日本にあるアメリカ軍基地を攻撃する。その攻撃を実施するミサイル部隊は北朝鮮にすでに存在していて、発射演習をおこなっている。日本にとってきわめて重大である。
今また日本海に、アメリカ軍は3隻の空母(カールビンソン、ロナルド・レーガン、ニミッツ)を配置して、北朝鮮を威嚇しています。金正恩が枕を高くして、寝られるはずはありません。いつ仕返しをしないとも限りません。
安倍政権下の日本は、北朝鮮を敵視するだけで、貿易関係になく、人と船の往来もない。
安倍政権はJアラートを繰り返し発令し、ミサイルが落下してきたら手で頭を覆ってうずくまるようにという、まったく無意味な「警告」を出すだけ。政府として、日本国民を守る責任を果たしていない。
朝鮮で戦争が起きたら韓国側だけでも100万人が命を失う大惨事となる。
私の娘も孫もソウルに住んでいます。とんでもありません。
今度おきるとしたら、その戦争は、かつての朝鮮戦争型ではない。それは環日本海戦争、米日対北朝鮮の戦争となる。
北朝鮮は、往来型の弾頭のミサイルによって、日本海側にある原子力発電所(原発)を攻撃することができる。それは、原爆を投下したのと同じ効果をあげる。運転中止中の原発であっても、使用ずみ核燃料が貯蔵プールに保存されている。これらの原発を飛来するロケットから守る手段は講じられていない。
これから地上型のイージス(1基800億円もします。2基で1600億円です)を配置しても間にあいませんし、防げません。
この戦争が起きたら、もはや勝者も敗者もない。北朝鮮も日本も完全に壊滅し、廃墟と化してしまう。したがって、日本はアメリカが北朝鮮に軍事的な措置をとることを絶対にやめさせなければならない。そのために日本ができるのは平和外交であり、それは日韓国交樹立である。
1970年代以降、世界の大国で隣国と国交をもたないのは、アメリカ(キューバとの断絶状態が最近まで続いていた)と、日本(北朝鮮との国交なし)だけ。
とても積極的であり、現実的な提案がなされています。
(2017年10月刊。1200円+税)

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