弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年11月11日

息子カムは今日もゆく

人間

(霧山昴)
著者 しおり 、 出版  セブン&アイ出版

難聴のため話せない、そのうえ発達障害、睡眠障害をもつ息子との日々の「格闘」が、ほのぼの系のマンガに描かれています。
母親になった女性の偉大さには、まったく頭が下がるばかりです。毎日毎日、本当に大変だと思うのですが、この4コマ、マンガに描かれているカム君は、まさしく愛すべき存在です。ママとの毎日のかかわりは、ほほえましいエピソードにみちみちています。なるほど、こうやってマンガのネタになるといいものですね・・・。
カム君は胎児のときにサイトメガロウィルスによって、生まれつき耳が聞こえません。そして、話せません。発達障害、睡眠障害、摂食障害があります。感覚過敏で、強いこだわりがあります。10歳になっても、まだオムツがとれないようです。それでも親は、カム君と一緒に大笑いしたり、喜びや楽しみがあり、こうやってマンガに描ける幸せがあるのです。これはこれで、本当に人間らしい素晴らしい生き方だと私は思いました。
インスタグラムで2万人がフォローしているということですが、なるほど、それだけの価値はあります。ほのぼの系のマンガ(絵)なので、なんだか見ている人の気持ちが、ほっこり、ゆったりしてくるのです。
実際の日常生活は、なにかと大変だろうと思いますが、こうやって幸せ感を世の中に広めてくれる「ママ」の力は偉大です。
一人でも多くの人の目に触れてほしいマンガです。
(2017年5月刊。1000円+税)

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