弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年9月11日

山と河が僕の仕事場2

生物

(霧山昴)
著者 牧 浩之 、 出版  フライの雑誌社

神奈川県川崎市で生まれ育った都会っ子が宮崎県高原町で山の生活を謳歌しているという、読んで、また見て楽しい、写真たっぷりの体験記(レポート)です。
フライフッシングの毛鉤(けばり)づくりの仕事に始まり、山でシカやイノシシそしてカモなどを捕まえる猟師となり、果てはシイタケ栽培やら農業にまで手を広げていくのです。
毎日が、生き物を相手としていますので、予定が狂わされることも多いようですが、次第にネットワークが広がっていく様子は頼もしくもあります。
著者はよほど器用な人なのでしょうね。
フライフッシング用の毛鉤をつくっていく過程が写真でも紹介されていますし、シカやイノシシを解体・精肉化していく様子も見事です。
九州は宮崎の山の中で住むのって、虫やら蛇やらいて、大変じゃないかと思いますが、地元出身の気丈夫な奥様とうまく折りあっていきながら、毎日、楽しそうです。
マガモの尻に生えている羽はCDC(フランス語です)と呼ばれる特別の羽。フライフィッシングにはもってこいの羽だ。
罠にかかったメスジカは最後まで逃げようとするが、オスジカは、意を決すると、角で人間に向かってくる。ええって、こんな違いがあるのですね・・・。
シカと同じようにイノシシも罠にかかっても危険なようです。うかつに近づくと踏み倒されそうです。
霧島山麓には、1平方キロメートルに50頭ものシカが生息するとみられている。
シカやイノシシが村人の畑を襲い、日常的に被害を与えているのです。ですから、人間と共存するためには、一定の駆除は必要だとのことです。現実は、単純に野生動物を保護しましょうとはいかないのですね・・・。
著者は猟師になってからアルコールを絶っているとのこと(なぜなのか、理由は書いてありません)。代わりに奥様がビール党としてがんばっているようです。
読んで楽しい、大自然の中で楽しく生きているという素晴らしいレポートです。前の本とあわせて、一読をおすすめします。
(2017年2月刊。1600円+税)

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