弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年7月30日

12人で「銀行」をつくってみた

社会

(霧山昴)
著者 岡田 晴彦 、 出版  ダイヤモンド社

私自身は銀行に行ったことは久しくありませんし、ATMを利用したことは一度もありません。ですから、振り込め詐欺の被害者にはなりようがありません。また、コンビニも、出張したとき以外に入ることはありません。ケイタイはもちろんガラケーで、スマホはつかっていませんし、使う気もありません。
この本は、インターネットバンキングの創立過程の「生みの苦しみ」を明らかにしたものです。
2000年(平成12年)10月に開業したジャパネット銀行は日本初のインターネット専業銀行だった。インターネット専業銀行とは、実際の店舗をもたないで、インターネット上で各種サービスを提供する銀行のこと。インターネット銀行は実店舗がないし、預金通帳も発行されない。そのため業務コストが低く抑えられるので、預金金利はいくらか高く、手数料も少し安い。なにしろ24時間、365日、いつでも振込、振替そして残高照会などのサービスが利用できる。
インターネット専業銀行は1999年10月、メンバー12人による準備室の発足から始まった。非対面での本人確認のやり方について、試行錯誤を重ねた。
インターネット専業銀行であるジャパネット銀行は、決済手数料を収益の柱としている。し
たがって、たくさん残高のある人よりも、たくさん利用してくれる客のほうがありがた。
インターネット専業銀行では、取引回数こそが重要になってくる。つまり、インターネット銀
行とは、顧客のターゲットが異なるということ・・・。
ジャパネット銀行では、銀行員のやることをすべてユーザー自身にやってもらう。そのことに
よって、客が取引に自覚するようになる。
ジャパネット銀行では、毎月の月初めに利息をつけるというサービスをしている。
ジャパネット銀行の自己資本比率は、30.1%で、国際基準を大きく上回っている。
いやあ、世の中の進歩についていくのは本当に大変なことです。
(2017年2月刊。1500円+税)

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