弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年12月21日

オリンピックの身代金

社会

(霧山昴)
著者 奥田 英明 、 出版  講談社文庫

舞台は昭和39年(1964年)8月の東京に始まります。東京オリンピックの開幕が目前に迫っている東京です。
私は、この年の4月に高校に入りました。秋の文化祭でゲゲゲの鬼太郎のはりボテをつくった記憶があります。田舎の県立高校ですが、一学年で東大に4人入るという、それなりの進学校でした。
この本は、当時の日本と東京の雰囲気をよく再現しています。
東京オリンピックまであと二ヶ月。道端にいた物乞いたちは、疎開を余儀なくされた。そして、銀座から赤坂にかけて遊んでいるチンピラ連中も街から追い出された。テキ屋団体の東声会の町井会長がオリンピック開催期間中は、東京から出て、海か山で肉体と精神の鍛練をするように命令した。
全国のマイカーが百万台に達し、有楽町あたりでは朝夕に渋滞が起きるようになっている。この夏、東京は未曾有の水不足に見舞われた。給水制限、7時間断水などから、「東京砂漠」と呼ばれた。
そして、そのオリンピックの開催を妨害するという予告の手紙が警察に届いた。警察学校で爆破事件が起き、予告が単なる冗談ではないことが証明された。
犯人は誰か。このころ草加次郎を名乗る男が騒ぎを起こしていた。同一人物か・・・。
これ以上、アラスジを書くのはネタバレになりますし、読む楽しさを奪いますので、止めておきます。昭和39年10月の東京オリンピックに向けて、東京が大改造されていったこと、それを実際に担っていた工事現場では何層もの下請がいて、末端で働く人々は、まるで人間らしい扱いを受けていなかったこと、そこには暴力団が暗躍していたことが上手に織り込まれていて、とても読ませます。
上下2冊、460頁、400頁という長編ですが、飽きさせることなく読みすすめることができました。
2020年の東京オリンピックって本当にできるのでしょうか。海外には、東京の放射能汚染を心配している声も上がっています。実際、これだけ地震が多発していますから、オリンピック期間中に大地震が起きないという保証は誰もできないのです。
一部の人はオリンピックでボロもうけすることになるのでしょうが、もっと他に、オリンピックよりも先に国としてやるべきことがある気がしてなりません。
(2014年11月刊。1400円+税)
 仏検(準一級)の結果を知らせるハガキが届きました。合格です。基準点73点に対して78点でした(120点満点)。つまり6割で合格です。今回は5点だけ上回っていました。ちなみに自己採点は76点でした。
 1月末に口頭試問を受けます。これが鬼門なのです。読んで分かるというのではなく、フランス語で3分間まとまったことを話さなくてはいけません。それも3分前にテーマを与えられて、それについて語るのです。
 ですから、時事ネタについて起承転結をつけて話す訓練をする必要があります。でも、これが難しいのです。
 毎朝、NHKのフランス語講座(応用編)を書き取りして、なるべく暗記するように努めています。
 これが目下の最大のボケ防止対策になっています。

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