弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年10月29日

悪夢の超特急・リニア中央新幹線

社会

(霧山昴)
著者 樫田 秀樹 、 出版  旬報社

リニア中央新幹線って、日本にとって百害あって一利なし、ですよね。そんなこと、詳しく知るまでもなく、一見明白だと思います。だって、東京と大阪を2時間ちょっとで行けるというのに、それを1時間に短縮して何が変わるというのですか。
ところが、この本を読むと、莫大な国家経済の損失というだけでなく、放射能汚染をまき散らしたり、電磁波被害を拡散させたり、自然環境を破壊したり、とんでもない巨悪の計画だということが如実に示されています。
こんな計画は直ちにストップさせるべきです。
なぜ、時速500キロでなければいけないのでしょうか。運転士はおらず、事故にあったとき、乗客が仮に無事だったとしても、何キロも歩いて脱出口を目ざさなくてはなりません。
岐阜県では、日本最大のウラン鉱床地帯にトンネルを開ける可能性がある。
新幹線の3倍以上の電力を消費するので、それこそ原子力発電所を必要としてしまう。
強力な電磁石を使用することから電磁波が発生する。それによる人体への悪影響が心配される。
すでに2兆2千億円もの借金がある会社が、さらに9兆円もの事業に乗り出すことには大きな疑問がある。
ところが、一般のマスコミはリニア新幹線のかかえる問題を報道しようとしない。
いやはや、とんだ税金のムダづかいであり、国民の安全と健康無視の計画です。ゼネコンと一部政治家・暴力団のために日本という国が動いていることを実感させられます。こんなムダづかいを止めたら、もっと福祉や教育、人材育成にお金をつかえます。日本という国の流れを早く変える必要があります。
(2016年8月刊。1600円+税)

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