弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年9月11日

強父論

人間

(霧山昴)
著者  阿川 佐和子 、 出版  文芸春秋

書かれている文字どおり読んだら、それこそとんでもない父親ですよね・・・。なにしろ、テレビを見ていても、何をするにしても、「女はバカだ。だからダメなんだ」なんて口癖のように言っていたというのですから。
でも、本当に、そういう親子関係なのかなと、モノカキ志向の私は大いに疑っています。これはサワコー流の父親礼賛(れいさん、ではなく、らいさん)じゃないのかな・・・。
というのは、表紙の写真です。
3歳くらいのサワコが、にこやかにほほえんでいる「怖い父親」に抱っこされて幸せそうな様子と、今のサワコの笑顔は、まるで同じなのです。
いじめ、いじめで、こんな素敵な笑顔の美人になれるはずがないと私は思うのです。
そして、遠藤周作、壇一雄、北杜夫の家庭が、それぞれ
「嘘つけ、冗談じゃない。娘までおかしくなってきたぞ。もう疲れた。オレは帰る」
「あいつらより、俺はずっとマシ」
と言っていた。
そうなんですよね。世の中には、うちよりもっとひどい暴君の父親がいる。それで、親も子どもも、じっとガマンしているということがあるのです。
まあ、笑いながら気楽に読める、ちょっと変わった父親論として、おすすめします。
(2016年7月刊。1300円+税)

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