弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年8月24日

クリントン・キャッシュ

アメリカ

(霧山昴)
著者  ピーター・シュヴァイツァー 、 出版  メディア・コミュニケーション

 アメリカで民主党の大統領候補として、社会主義者を自称するサンダースが予想以上に健闘して、アメリカの民主主義もまだまだ捨てたものじゃないと思いました。
 大富豪のトランプに比べたらヒラリー・クリントンのほうがよほどましな候補だと私は考えています。ところが、この本は、ヒラリー・クリントンがオバマ政権の国務長官だったころ、夫のビルと組んで「違法」な荒稼ぎをしていたことを暴露しています。
 その手口は巧妙なので、「違法」とは言いにくいかもしれませんが、汚れた権力者たちと一緒になって汚い金もうけをしていた事実は隠せません。
 ヒラリーもビルも、やっぱりアメリカの大統領として金持ち本位の政治しかしていないんだな・・・、そう思うと、悲しい気持ちにもなりました。
 クリントン財団は、これまで外国の政府、企業、資産家から巨額の資金を受けとってきた。そして、それは「愛のしるし」だと説明されている。
 クリントン夫妻は、しばしば外国の団体からお金を受け取っている。
 その結果、クリントン夫妻は現在、異常なほど裕福になっている。
 2001年から2012年にかけてクリントン夫妻の総所得は少なくとも1億3650万ドル。
 ビル・クリントンの個人純資産は5500万ドルと推定されてる。
 つい先日の新聞では、クリントン夫妻の年収は10億円だと報道されていました。
 ビル・クリントンは、年平均で800万ドルを世界各地での講演料として受け取った。
 1回あたり50万ドル(5000万円)、75万ドルをこえることもある。
 なぜ、そんなに高額の講演料が支払われるのか、一体誰がそんな巨額のお金を支払うのか・・・。
 クリントン大統領は、任期最後の日に、マーク・リッチに対して恩赦を与えた。マーク・リッチは石油トレーダーであり、資産家であり、脱税犯であり、逃亡者だった。
 ヒラリーが上院議員であるあいだに、ビル・クリントンが得た巨額の講演料の3分の2は外国から入ってきた。ヒラリーが国務長官になってからは、さらに膨れあがり、数千万ドルがサウジアラビアやクウェート、アラブ首長国連邦といった外国政府や海外の資産家からクリントン財団に流れ込んだ。
 ビル・クリントンの講演料と国務長官時代のヒラリーの意思決定とのあいだには相関性が認められる。
 クリントンの講演料は大統領を退任したあと、減っていった。ところが、ヒラリーが2009年に国務長官になると、ビルの海外での高給の講演は劇的に増えた。ヒラリーが国務長官として外国に直接的な影響を与える問題について絶大な力をもっているときに、ビルの講演料は高額だった。
 クリントン夫妻は、クリントン財団への主要な寄付者の名前を公開していない。
 クリントン財団の評議員のうちの4人は、金融犯罪で告発され、有罪判決を受けている。独裁者や王族、法的な問題をかかえた海外投資家がクリントン財団への主要な寄付者にいるのは間違いない。
 こうなると、トランプにしろ、ヒラリーにしろ、「1%」のための大統領でしかないということになりますね。それをアベ首相が見習っているわけです。なんとかして早く変えたいものです。
(2016年2月刊。1800円+税)

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