弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年5月19日

漫談で斬る、自民党改憲案

社会

(霧山昴)
著者  小林 康二 、 出版  新日本出版社

 老後、定年退職したあと、何をするか、それが問題です。そして、そんなことは40代や50年代では考えられません。ましてや、30代のときなんて、発想の外でしかありません。
 ところが、時は等しく、あっというまに過ぎていきます。私も、はっと気がついたら、還暦なんて、とっくの昔のこと。今や、古稀が近づきつつあります。うひゃあ、お、おとろしい・・・。
 定年を楽しく過ごすための三条件。その一、健康でなければ自由は手に入らない。70代も後半の著者は週に3回もジムに通い、1時間半は汗をかいている。その二、じぶんのやりたいこと、課題・目標・夢を明確にして、その実行ノートを枕元に置く。大切なことは継続。その三。すこしばかりのお金を確保しておく。妻に退職金を全額渡してはいけない。
 私は、週一回のスイミング。30分間に自己流のクロールで1キロを泳ぎます。これで体調が分かります。その二、毎日の書評ノートを15年以上続けていますし、ときどき本にまとめています。その三、お金も少しばかり自由になるお金がありますので、出版したり、本の広告を出したりしています。
 著者は労働組合一筋で生きて31年間。55歳のときに組合専従を勇退し、笑作家として演芸の世界に入った。そから21年たつ。全国に励ますの笑いを届ける「笑工房」を設立してからも18年がたつ。この18年間、9人の作家で、100本以上の新作をつくってきた。売上はトータルで3000万円、かの吉本興行に、あと499億7000万円だけ足りない。「あと一息」というところ・・・。まあ、ものは言いようです。
 台本を書くときの注意は三つだけ。あまりに非実現的だと、客が引いてしまう。やたらギャグを連発すると、作品の質が低下する。メッセージを詰め込みすぎると、理屈くさくなって、面白みに欠けてしまう。
 戦後の日本国憲法になってから今日までの70年間に、日本は一度も戦争をしたことがない。ところが、明治憲法が制定されてから、第二次世界大戦が終了するまでの56年間に、日本は海外で8回、平均すると7年に1回の割合で戦争をしてきた。
 アメリカは、もっと好戦的で、1950年の朝鮮戦争以降、2013年までの63年間に、30回以上、平均すると2年に1回は戦争や紛争を起こしてきた。
 そして、日本に協力・加担するように求めてきたが、日本政府は9条を口実として断ってきた。
 国のやるべきことは、戦争になったらどうするか、なんていうことではなく、戦争にならないようにする、そして地方自治体への、きめこまやかなアフター・フォローではないでしょうか・・・。
 大阪の大川真郎弁護士からプレゼントしていただきました。笑いながらケンポーを学べる内容になっています。

(2016年4月刊。1200円+税)

 熊本に行ってきました。驚きました。JR熊本駅でタクシーに乗ろうとしたら、タクシーが1台もいないのです。結局、20分以上も待たされました。今、保険会社が損害(被害)査定のために1日2万5千円でタクシーを借り出しているこのあおりを受けて、まちを走るタクシーが不足しているのです。
 熊本城の周辺を走りましたが、見るも無惨に石垣や建物(塀)が崩れていました。
 そして、あちこちの民家に赤紙が貼られていました。それでも行くところがないので、なかに住んでいる人もいるとのことです。
 余震がまだ続いていますので、本当に熊本は大変だと思いました。少しでも復興の力になりたいと考えています。

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