弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年2月29日

からだの不思議

人間

(霧山昴)
著者  奈良 信雄 、 出版  中経文庫

人間のからだって、宇宙の仕組みと同じほど不思議だと思います。
新生児の骨は350以上ある。成長していくにつれ、骨は長く強固になり、くっついて一つの骨となるため、全体の骨の数は減る。
背骨は、横からみると直線ではなく、ゆるやかなS字カーブを描いている。このカーブのおかげで、人間は重たい頭を支え、重量を分散させながら上手にバランスをとって、まっすぐに立つことができる。
血液は骨のなかでつくられている。骨髄で血液の生成に関わる造血幹細胞がつくられている。骨が血液をつくっているなんて、不思議ですよね・・・。
成人では、1年で20%の骨が新しく入れ替わっている。つまり、5年で全身の骨が新しくなっている。これって年齢(とし)をとっても同じなんでしょうか。
顔の表情をつくるのは、表情筋。表情筋は、自分の意思で動かせる髄意筋だが、すべてが顔面神経の制御下にある。表情筋は筋肉なので、使えば使うだけ発達する。
表情の乏しい人がいますよね。子どものころ、大人からたくさん笑わされることがなかったんですよね。気の毒な幼年時代を過ごしたのだろうと、いつも私は同情しています。5人兄弟の末っ子である私は、姉や兄たちにたくさん面倒をみてもらって可愛がられたことを(記憶としては、まったくありませんが・・・)、いま、心から感謝しています。
左利きの人は、9人に1人。
鼻は、両方の孔(あな)を交互につかい、片方を休ませながら、効率よく呼吸している。
うひゃあ、知りませんでした・・・。
太っている人は舌が肥え、首がかたくなっているため気道を圧迫しやすく、大きないびきが出やすい。
胃の容量は、空腹時には50ミリリットル以下だが、食後には1.5リットル、詰め込むと2リットルにもなる。胃には栄養を吸収する機能はない。貯蔵し、消化し、殺菌するだけ。
胃に「別腹」があるというのは、脳内にオレキシンというホルモン物質が出ると、胃や腸の働きが活発になり、胃を満たしていた食べ物が腸に押し出されて、胃の中に少し隙間ができるということ。なーるほど、そういうことだったんですね・・・。
母親と胎児は血管がつながっているのではないので、血液型が異なっていても問題はない。胎盤が大きな役割を果たしているのです。
肝臓は、全体の80%を切除しても、数日中に再生が始まり、数ヶ月から1年で元の大きさに回復する。アルコールの過剰摂取は肝臓を弱めるようです。私がビールを飲むのをやめて久しいのは、もう酔っ払って時間をムダにしないためです。
身体のなかで「薬」をつくり出すとか、体内で発電するとか、身体の不思議はたくさんありますよね・・・。
  
(2014年2月刊。650円+税)

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