弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年12月19日

『昭和天皇実録』を読む

日本史(戦前)

(霧山昴)
著者  原 武史 、 出版  岩波新書

  昭和天皇は、生まれてすぐ沼津に行った。東京生まれ、東京で育ちながら、かなりの
時間を沼津で過ごした。川村純義(すみよし)という伯爵の家に預けられるが、川村の別邸が沼津にあり、1年のうち3ヶ月も沼津で過ごした。そこで、多くの女性に囲まれていた。母親も、皇后も、実の祖母も曾祖母まで沼津にいて、4人の叔母たちもいた。
  昭和天皇は幼少のころ、キリスト信者者が保母だった。
  昭和天皇は天皇家のしきたりを改めようとするが、母親や側近の女性たちの抵抗にあう。昭和天皇はヨーロッパ訪問したあと、ライフスタイルを西洋風に改める。これが母親との確執の原因となる。母親は、日本の伝統や皇室のしきたりを蔑ろにして、西洋かぶれになってしまったと昭和天皇を心配(批判)した。
  昭和天皇には女性的なところがある。かん高い声や話し方など、だから、政府は、1945年8月の玉音放送まで一般国民に対して声を聞かせることがなかった。
  戦前、神功皇后を天皇として認めなかったのは、昭和天皇が天皇になる前に、母親が自分のかわりに天皇となる可能性があったから、それを恐れていた。
  「昭和天皇実録」という本は昭和天皇の実像を知る手掛かりにはなるようですね。といっても、61冊、1万2千頁にもなるというのですから、とても実物を読もうとは思いません。
  そこで、その内容をコンパクトに紹介してくれる便利な本です。

(2015年9月刊。800円+税)

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