弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年7月12日

北朝鮮とは何か

司法

                                (霧山昴)
著者  小倉 紀蔵 、 出版  藤原書店

 かなり難解な本です。でも、北朝鮮という国を知りたくて読みとおしました。
 歴史認識をめぐる安倍首相や橋下・大阪市長の言動は、正しくはアクションではなく、リアクションである。これを思考停止と言わずして、何と言えばいいのだろうか・・・。
 朝鮮は、植民地時代に近代化した。日本は収奪をしたが、近代化もした。
 慰安婦問題について、橋下市長の言うように日本だけでなく、西洋列強の多くが似たような女性蹂躙をしたのは事実だ。そのことを明確にするためにも、日本は世界に先駆けてこのことを謝罪し、解決すべきなのである。そのうえで、西洋諸国に対して同じことを促せばいい。 なーるほど、と私は思いました。
 アメリカには、確固たる対北朝鮮政策はない。対話と圧力と言っているが、実際には、論理的な一貫性のない、関与と無視のあいだを右往左往しているだけのこと。
 日本が北朝鮮との関係を事実上絶ってしまったのは、最悪の選択でしかない。
北朝鮮は崩壊するどころか、核開発をさらにすすめ、今や事実上の核保有国となった。
 「張成沢に幻想を抱く人々」が北朝鮮の労働党内そして広く国内に無視できないほどいた。張成沢氏以外の人々の官僚主義や事なかれ主義が張成沢氏の能動的な冒険主義を生んだ。
 張成沢氏の粛清・処刑を激怒している中国首脳部は、怒りと不信感をかきたてている。
 いま、北朝鮮が中国式の改革・解放を無秩序にしたら、その美意識は一気に崩壊してしまうだろう。
 とても難解な本なのですが、北朝鮮という国の思考方法が少しばかり分かった気がしました。
(2015年3月刊。2600円+税)

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