弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年6月22日

ポッキーは、なぜフランス人に愛されるのか?

社会

                               (霧山昴)
著者  三田村 蕗子 、 出版  日本実業出版社

 この本を読むまで、日本のスナック菓子が、世界中で愛されているなんて、ちっとも知りませんでした。
香港の即席麺市場の6割を「出前一丁」が占めている。香港人の舌にあわせて現地化された「出前一丁」だ。いま世界では年間1050億食の即席麺が生産されている。そのうち2割の200億食を生産しているのが、サンヨー食品。あの「サッポロ一番」だ。
 原料調達から商品が店頭に並ぶまで安心安全を追及し、大量生産で味をムラなく均質に保ち、使い勝手のいいパッケージに包む一連のプロセスは、世界のどの国にも真似できない日本の強みだ。お菓子ほど、日本の製造業の良さが、凝縮された産業はない。
 なくても決して死にはしないが、あればうれしい。手にしたら楽しい。おいしいお菓子を食べていると思わず顔がほころび、幸せな気分にみたされる。
 スナック菓子には面白さや楽しさ、新鮮さが絶えず求められるのが日本だ。
 2009年、カルビーは、オーナー経営の会社から、外資系の経営手法を取り入れた企業へ変身した。カルビーが年間に使用するジャガイモの量は、日本全体の収穫量の10%にあたる。これをカルビーは日本国内契約栽培農家から調達している。
 アメリカでは、カルビーは、豆をつかったスナック菓子を売り出している。
 森永製菓の「ハイチュウ」は、キャラメルでもなく、ガムでもない。日本で生まれた不思議な食感のソフトキャンディー「ハイチュウ」はアメリカで大人気だ。「ハイチュウ」はアメリカの野球選手たちが、チューインガムの代わりに口に入れている。ガムのように捨てる手間がいらないのだ。
 江崎グリコの「ポッキー」は、グローバルブランドとして堂々たる王道を歩いている。「ポッキー」の全世界販売個数は年間5億箱。売上高4億ドル。そのうち3億箱が日本で、残り2億箱をヨーロッパとアジアなど海外30ヶ国で売っている。フランスでは、「ポッキー」は「ミカド」として売られている。
 「ポッキー」は、食べながらおしゃべりできる。しかも、手が汚れない。
 ロイズの生チョコも海外で売られている。商品は、すべて日本で製造して冷凍コンテナをつかって輸出している。
 「柿の種」は、アメリカではわさび味で売られている。
日本のお菓子が世界で、こんなに愛され、売れているのですね。もちろん、それには現地のヒトの舌になじめる工夫もされているわけです。あまりに面白くて、ついついひきこまれてしまいました。
(2015年4月刊。1500円+税)

 きのうの日曜日(21日)、仏検(一級)を受けてきました。午後2時から5時まで3時間、みっちり絞られました。大甘の自己採点で70点(150点満点)です。
 前回3割だったのが、4割越したように思います。合格するには6割ですから、まだまだです。
 文法関係はほぼ全滅し、長文読解と書き取り、聴き取りで点を稼ぎます。
 予習として、過去問をするのですが、何と1995年から受験してるのでした。もう20年も一級に挑戦しているのです。我ながら、すごいことです。ですから、過去問の仏作文を全部やり直すのに、相当の時間がかかりました。頭のボケ防止に必死なのです。

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