弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年11月27日

スマホ・チルドレン対応マニュアル

社会


著者  竹内 和雄 、 出版  中公新書ラクレ

 今や、子どもたちからケータイやスマホを取りあげることは出来なくなってしまいました。歩きながら、片手でスマホを操作している子どもたちを見ていると、私なんかハラハラしてしまいます。私は相変わらず、ガラケーですし、片手入力はおろか、両手入力するのも覚束ないのです。ですから、私が入力することはありません(したことはありますが、あまりに時間がかかるので、やめました)。
 中学3年生では、男女とも8割がスマホかガラケーを持っている。男子が小6で急増するのに対して、女子は小5から既に高い比率で所持している。高校生は100%がケータイをもっているが、その8割はスマホである。
スマホ・チルドレンは睡眠不足になっている。スマホをやりながら寝てしまうことを、「寝落ち」という。
スマホがあると、勉強はとても便利。分からない宿題は、ラインとかですぐに訊けるし、みんなで教えあう。ノートで書き忘れたところがあると、カメラでその部分をとって送ってもらえる・・・。
 今の大学生は新聞を読まないし、テレビすら見ないものが多い。情報はもっぱらスマホなどを経由して得ている。それは必然的に、自分の興味のある分野に限られていく。今の若者の常識を形作っているものの多くは、個人の好みによって、かなり偏ったものになってしまっている。
 子どもがケータイを使っていい時間帯を決めておく。これはもっとも重要なルールだ。たとえば、夜8時になったら電源を切って、居間の充電機に差し込むことを我が家の基本ルールにする。そして、塾のある日は、特別に30分とか1時間の延長を認めるようにしたらいい。
 スマホを使う場所も居間に限定する。子ども部屋では使わせない。
頭からスマホの使用を禁止してもムダだし、逆効果だと私も思います。それにしても大変な世の中になってきました。家庭の固定電話(黒電話)がなくても、ケータイ(スマホ)さえあれば十分に生きていける世の中です。そして、そのなかでスマホという大海に急に放り出された子どもたちがアップアップしているのです。
 スマホについては、その利便性とあわせて「なりすまし」その他の危険性を早いうちから子どもたちに十分に教育することが必要です。もってはいけないと言えば問題が解決するような時代ではありませんので・・・。
(2014年5月刊。800円+税)

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