弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年7月13日

浮世絵に見る江戸の食卓

江戸時代


著者  林 綾野 、 出版  美術出版社

 浮世絵に描かれている江戸の人々の食べているものが紹介されています。同じものが、現代の日本の料理として写真で紹介されていて、比較できるのです。どちらも食指を動かす秀れものでした。
 ガラスのすのこの上にもられた紅白の刺身が描かれています。うひゃあ、ガラスのすのこって、江戸時代にもあったのですね・・・。
 江戸前ウナギを女性が食べようとしている浮世絵があります。「江戸前」とは、隅田川や深川でとれたウナギのことを言い、江戸の外でとれたウナギは「旅うなぎ」と呼ばれた。
 江戸のうなぎは、背中から開き、蒸してからタレをつけて焼く。身はふんわりとやわらかく、外は香ばしく仕上げるのが江戸流だ。
 今まさに串に刺したエビの天ぷらを食べようとする女性が描かれています。
 天ぷらは、江戸の屋台料理の定番だった。火事の多い江戸では、室内で油を使うことが禁じられていたため、天ぷらはまず屋台で普及し、値段も安かった。そのうち、天ぷらは屋台だけでなく、料理店でも供されるようになった。
 5月になると、初鰹(かつお)。江戸っ子の初夏の楽しみの一つだった。初物を食べれば、寿命が75日のびると言われ、粋な江戸っ子は、いくらか無理してでも初物を買い求めた。
 江戸の人々も猪や鹿などの獣肉を食べていた。ただし、「山くじら」と呼び、それを食べさせる店は「ももんじゃ」と呼んだ。
 江戸の豆腐は、堅く、しっかりしていた。江戸っ子にとって、茄子(ナス)は身近で、かつ愛された野菜であった。
 幕府は、ナスやキュウリなどの促成栽培を幕府はたびたび禁止した。野菜の価格高騰を恐れてのこと。
 毎年夏、本郷にあった加賀屋敷の氷室(ひむろ)から、将軍に雪を献上する儀式があった。
 芝居が始まるのは午前6時のころで、終演は夕方5時ころ。土間に座る客を「かべすの客」と呼んだ。
 江戸時代の人々とがたくましく生き抜いていたこと、美味しく食べるのを好んでいた点は現代日本と変わらないことなどを知ることができました。それにしても、浮世絵って、まるでカラー写真のようですね。
(2014年3月刊。2000円+税)

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