弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年5月23日

原発ゼロで日本経済は再生する

社会


著者  吉原 毅 、 出版  角川ワンテーマ21

 福島第一原発事故の使用済み核燃料と放射性物質の処理をどうするのか、今でもまったく不明のままです。超高濃度の放射能が出ていることは間違いありません。ですから、いつになったら、底のほうに「こぼれ落ちた」と思われる核燃料を「始末」できるのか、誰にも分からないのです。
 そのことを抜きに、「美味しんぼ」の表現だけが問題とされるのはおかしいと思います。そして、福島第一原発の事故の後始末もできていないのに、日本が原発を外国へ輸出するなんて、気が狂っているとしか言いようのない、無責任な話です。外国で、まさかのことが起きたとき、誰がいったい責任をとるのでしょうか・・・。もちろん、そのとき「安倍首相」なんていないでしょう。ともかく、「あとは野となれ、山となれ」式の無責任さが今の日本には横行しすぎです。
 未来へのツケをまわすような原発はやめるべきだと言う著者に対して、ある財界人が次のように言ったそうです。
 「キミは、あと何年生きるつもりなの。あと10年か20年でしょう。そんな先のことを考えても仕方がないじゃないか」
 これが、東芝とか三菱重工業のような原発輸出企業のホンネなのでしょうね。今のお金もうけが出来れば、子孫がどうなっても知ったことじゃないというわけです。それは許せません。ひどいです。あまりに無責任すぎます。私は本気で心配しています。
 城南信用金庫は現職理事長が脱原発の声をあげていることで有名ですが、その理事長が書いた本です。
 三大経済団体、つまり、経団連や経済同友会そして日本商工会議所も、電力会社からお金がまわっていて、「原子力ムラ」の一員に組み込まれている。
電力会社のあげる利益の9割は一般家庭や事務所、商店の払う電気料金による。官公庁や大企業は、電力会社から買わず、かなりを自家発電などに頼っている。
 3.11のときの東電社長だった清水正孝氏は、6月28日に、その退任したが退職金として5億円以上を受けとっている。
 ええーっ、許せませんね、これって。本当は、今ごろ、とっくに刑務所に入っておくべき人ではないでしょうか。大きく悪いことをした人は表彰されるという、昔からある悪しき格言を実践しています。ひどい話です。それを許しているのが、マスメディアです。
マスコミの上層部は、電力会社の連合体である「電気事業連合会」(電事連)によって操作されている。
原発や人殺し兵器を輸出したら、お金もうけは確かに出来るでしょう。でも、それは、とてつもない不幸をもたらす災いのもとです。そんなものに頼っていたら、いつか、地球の破滅は必至です。
 みんなで、反原発の声を勢いよく、そして分かりやすい平易な言葉であげましょう。
(2014年4月刊。800円+税)

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