弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年1月 7日

カラスの科学

生き物


著者  ジョン・マーズラフ、トニー・エンジェル 、 出版  河出書房新社

カラスは世界一賢い鳥だ。こんなサブ・タイトルがついています。
 カラスは人間の顔を識別し、記憶する。
 カラスは針金をいじって曲げ、まっすぐな串から便利なフック(鉤)につくり変える。
 人の音声による命令を学ぶ能力は、犬、カラス、幼児の順になる。
 イギリスの有名な作家、チャールズ・ディケンズは、ワタリガラスをペットとして飼っていた。ディケンズは、このワタリガラスに、「元気だぜ」、「弱音を吐くな」、「やかんをかけて、お茶にしよう」という言葉を教え込んだ。うひゃあ、すごいですね。
 ワタリガラスは、同種の仲間の意図することも理解する。餌を隠した場所をほかの個体に見られ、それを横取りされそうなときには、貯食したものを移動させ、餌を隠したことを知らないワタリガラスが周囲にいるときは、そのままにしておく。
 何年も前にワタリガラスを捕獲して足環をはめた研究者が顔を見せると、ワタリガラスは即座に危険人物として見分ける。
 カラス科の鳥は、ほかの動物に比べて前脳が大きくて、そこで感覚情報への行動反応をまとめ、方向づけるために多くのニューロンとシナプスを費やしている。
カラスは何歳になっても芸のレパートリーを広げることができる。
 カラスもカササギ属の鳥も、「ハロー」と言うことができる。
 カラスのしゃべる能力は、鳴管によって可能になっている。これも知能に依存する。
大きな前脳と、前脳内の声の中枢と視床間にある専用ループが、カラスの耳にしたことを声に出させる主要な特徴である。
 ワタリガラスは、隣家の犬の餌やりの時間になると、定期的に飛んでいって、嫌がらせをした。カラスはタバコより酒を飲むのを好む。そこで、酔っぱらったカラスを見かけることがある。千鳥足になり、やたらに鳴いて飛んでいく。
ワタリガラスは、人間が何を知っているかも理解している。年齢を重ねるにつれて、ワタリガラスの理解力は高まる。
ワタリガラスは、風の強い日、空中で強風に乗ってサーフィンをして遊ぶ。
 遊ぶカラスは、滑りやすい斜面を勢いよく滑り落ちる。うつぶせや仰向けで頭から先に滑ったり、樽に入って遊ぶ子どものように横向きに転がったりする。
 「楽しい」というのは抽象的な観念ではなく、人間だけが体験できることでもない。
 カラスは、自己認識、洞察、復讐、道具使用、頭のなかでのタイムトラベル、欺き、仲間殺し、言語遊び、計算された命知らずの行為、社会的学習、伝統といった、これまで人間特有のものとされてきた特徴を備えている。
人間がカラスに惹きつけられる理由は、カラスが人間に似ているためでもある。
 なーるほど、と思いました。それにしても、私の住む団地はゴミ出しをめぐってカラスとの壮絶な戦いが今なお続いています。わが家のゴミはネットを張って、ブロックで押さえ込んで防いでいるのですが・・・。
(2013年9月刊。2800円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー