弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年10月15日

生活保護改革、ここが焦点だ!

社会

著者  尾藤  廣喜 、 小久保  哲郎 、 吉永 純   、 出版  あけび書房   

 生活保護が増えたら地方自治体の財政が破綻するというのは真っ赤なウソ。
 生活保護費のうち給付費を意味する扶助費が93%を占め、福祉事務所の職員の人件費が5%、残りはその他の委託費など。扶助費の4分の3は団体負担金でまかなわれる。
 釧路市では自立支援プログラムを実施しているが、この5年間に3180人が参加し、
544人が仕事に就き、151人が保護を抜けた。
 釧路市では、保護費が144億円ほどで、一般会計の15%を占める。そして、この保護費は一次産業の111億円を上回っていて、地域経済を下支えしている。
 生活保護費のうち99.7%は適正に執行されており、不正受給は全体の0.3%にすぎない。大型公共事業の談合による被害に比べると、ものの数でもないということになります・・・・。
 ところが、この生活保護について、3年とか5年という有期保護制度に変えようという提案が指定都市市長会からなされています。とんでもない、時代の流れに逆行した提案です。ゼネコンと暴力団を喜ばせる大型公共事業のムダはそのままにして、貧困の結果である弱者の切り捨てを図るなんて、許せません。まるで、政治は強者のためにある、というのを地でいくような提案です。
 そしてまた、生活保護費のほうが年金や最低賃金より高くなっているので、保護費のほうを切り下げようというのです。これまた、とんでもない本末転倒の提案です。
 私も生活保護支援九州ネットワークに関わっています(恥ずかしながら、大したことは出来ていません)が、社会のセーフティーネットとしての生活保護制度は、もっと利用しやすく、もっと自立支援に役立つものになるようにしたいものだと考えています。
(2011年7月刊。1600円+税)

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