弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年5月18日

正しいパンツのたたみ方

社会

著者   南野 忠晴  、 出版   岩波ジュニア新書

タイトルをみて、まさか本当にパンツのたたみ方が図解されているとは思いませんでした。
洗たくものを洗たく機からとり出して干し、乾いたところでたたみます。ところが、これって案外むずかしいのですよね。だから独身時代の私は、いつもハンガーにかかったまま、乾いたものをそのまま着ていました。いえ、洗たく自体は昔からこまめにしていたのです。
親元を離れて初めて寮生活をしたときには、一週間分の洗たくを、深夜に2台の洗たく機を使ってしたこともありました。まだ乾燥機もなんてありませんでしたから、広い室内にロープを張って吊して干していました。寮は6人部屋だったので、広々としていたのです。ベッドと机と本棚しかなく、間仕切りのカーテンもありませんでしたが、のびのびと寮生活を謳歌していました。
この本は家庭科を担当する男性教師が書いています。高校1年生を担当した年、この3年間、自分で弁当を作ってみてください。それをやり通せたら、どれだけの自信になるか計り知れない、ぜひ挑戦してみてくださいと挨拶したのだそうです。たぶん誰もやらないだろうと半ば思っていたのでした。
ところが、3年後、それを見事にやり通した女子生徒がいたというのです。いやあ、それはすごい、すごいですね。その生徒が著者に言いました。
「先生のことを、恨みに思ったこともあったけど、今は続けて良かったと思っている。先生が言っていたとおり自信になった。先生、ありがとう」
そりゃあ、そうですよね。3年間、1日も休まずに弁当を作りつづけたなんて、これは何でもないようで実はたいしたことですよ。私も、こうやって毎日休まずに書評を書きつづっていますけれど、たまに、それなりにたいしたものだと自分をほめてやっているのですよ。なにしろ、始めたのは、あの9.11のあった年ですから、もう10年も続いているんです。それだけ健康管理にも気をつかっているということでもあります。ぜひ、みなさん続けて読んでくださいな。あるとき、誰かが、1日に200人は読んでくれているらしいと教えてくれたことがあります。モノカキののはしくれとして、残念ながら売れないモノカキではありますが、1日に1万人の読者がついて、ついにやったぜベストセラー、と叫んでみたいという夢を私も抱いているのですけど・・・。ノーベル文学賞はダメでも、せめてどこかの文学賞はもらえないのかと内心ひそかに真面目に狙っているんですよ、これでも。
すみません。弁当の話でした。私は公立中学校でしたが、給食は小学校で終わり、中学・高校と母親のつくった弁当を当然のように食べていました。自分でつくるなんて考えたこともありません。母、つくる人。私、食べる人。そんな型を疑ったこともありません。
弁当づくりのポイントは、どうしたら手軽に、短時間に、楽しんで出来るか、その方法を発見すること。著者は、前の日のおかずの残りも活用し、朝の手間は10分か15分位しかかけていないそうです。
さわやかな朝の目覚めのために、校長先生は次のようにすすめます。目覚まし時計がなったら、まず、両手を布団から出してバンザイの格好をする。すると寒くなって目が覚める。次に上半身を布団から出す。その状態だと寒くて長くは寝ていられない。さっさと起きて服を着たくなる。そうやって毎朝起きている。なーるほど、ですね。
朝、自分の力で起きると、一日を自分で考えてやりくりしていく力がついてくる。これは、自立した生活者のなるのに、とても大切な力だ。時間と、どう折り合いをつけていくかで、自分の生活が快適に送れるかどうかが決まる。そのためには、起きる理由、その目的や楽しみがあることが大切だ。
私は、平日は朝7時に、休みの日はなるべく朝6時には起きるようにしています。休みの日はごろごろ寝ていたいなんて思ったことはありません。むしろ、休みの日こそ自分の日なんだから自分のために有効に使おう、もったいなくて寝てなんかいられない。そんな感じでスパッと起きます。
起きるのが楽しくなってきたら、人生は半分成功したようなもの。一日の始まりを、自分でコントロールできるようになったら、おのずと時間とのつきあいも濃厚で深いものになっていることうけあいだ。
 著者のうけあいに、私も大賛成です。一度きりの人生なんですから、時間は大切に使いたいものです。高校生向けの本のようですが、大人、しかも還暦を過ぎた私が読んでも、いいこと、大切なことが書いてある本だな、そう感嘆しながら読んでいきました。ぜひ、あなたも読んでみてください。
(2010年10月刊。1800円+税)
 日曜日に梅ちぎりをしました。紅梅、白梅のうち白梅のほうです。小ぶりの梅の実がたくさんなってくれました。必死にもぎると、大ざるに2つ山盛りとなりました。2.8キロもあり、梅酒が3瓶できました。
 下の田んぼで蛇が昼寝をしているのを見つけました。初めは死んでいるのかもしれないと、泥団子を投げてみると、動き出し、舌をチロチロさせて怒っています。こんなところで昼寝なんかしたらダメだと泥を投げ続けると、走って逃げていきました。1メートルはある、茶色の若い蛇です。マムシではないと思います。

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